Strategy of TC Transformation
PX:高い収益性と安定性のある
事業ポートフォリオへ変革
Strategy of TC Transformation

当社の長期的な企業価値向上ストーリーにおいて、資産・資本効率向上、業績のボラティリティの抑制、安定した利益成長を実現し、高い収益性と安定性のある事業ポートフォリオへ変革していくことが最も重要です。「中期経営計画2027」最終年度の経営目標であるROA1.4%・ROE10%達成に向けて、利益成長とROA向上に徹底的にこだわり、全社横断でPXの取り組みを推進しています。
ポートフォリオ・トランスフォーメーションの全体像
1. 資産回転型ビジネスの推進
情報通信機器、航空機、船舶、不動産など「モノ価値を見極めるノウハウ」を活用し、適切なタイミングでの投資・売却を行う資産回転型ビジネスを推進することで良質なポートフォリオを目指します。
2. 低効率資産の入れ替え・EXIT
成長性やリスクなどの定性評価、ROA・ROICスプレッドなどの定量評価を徹底して行い、低収益・低効率資産を優良資産へ入れ替えることで事業ポートフォリオの強化を図ります。
3. 既存事業のバリューアップ
既存事業のビジネスモデルの見直しを行い、より収益性・効率性向上を重視した取り組みを推進します。
4. 新たな事業領域創出
社会課題の解決に貢献するGX・DXの取り組みやパートナーシップ戦略を全社的に強化し、新たな成長事業の確立を目指します。
成長領域への投資に向けて、各事業分野において継続的な検討を重ねるとともに、全社的な推進体制を構築しています。

投資リスクのコントロール
多様化する投資リスクを適切にコントロールする必要があるため、投資マネジメントフレームワークの導入とROICスプレッド管理による体制強化を目指しています。
投資マネジメントフレームワーク
投資ガバナンスの確立を目的とした投資管理の枠組みを制定しています。この枠組みにおいては、個別投資案件採択時に定量・定性的な評価を行うとともに、撤退を判断するためのトリガー設定の妥当性についても評価を行います。投資実行後は、定量・定性基準の達成状況に加えて撤退基準への抵触の有無についても継続的なモニタリングを行うことで、PX推進のための判断材料として活用しています。
ROICスプレッド管理
事業やリスク特性を反映した事業別のリスク・リターン指標(資本コストベース)として、ROICスプレッド(投下資本利益率(ROIC)–加重平均資本コスト(WACC))の定期的なモニタリングを行っています。今後のPX推進への活用にあたり、適切なリスク・リターンを反映すべく課題抽出を進めています。
中計初年度(2023年度)の取り組み
低効率事業の見直し、不動産・船舶・データセンターを中心とした資産回転型ビジネスの推進など、今後のPX推進に向けた取り組みが順調に進捗。
オートモビリティ、国内リース事業分野の子会社2社における持株比率の見直し
- 事例1
- 低効率資産の入れ替え・EXIT
オリエントコーポレーション(オリコ)との合弁会社である子会社2社の持株比率を見直し、持分の一部を譲渡することで持分法適用関連会社としました。
この見直しにより、持株比率の低下に伴う当社に帰属する利益の減少があったものの、セグメント資産残高が約2,000億円減少したことにより資産効率(ROA)を約2倍に改善することができました。持分法適用関連会社化以降も、オリコグループによる営業力強化を図ることで持続的成長を実現していきます。
スペシャルティ事業分野の航空機事業・船舶事業における資産回転型ビジネスの推進
- 事例2
- 資産回転型ビジネスの推進
航空機・船舶事業においては、資産効率の向上に向けて市況が上昇するタイミングに合わせた保有資産の売却を進めています。
今後も航空機、船舶、不動産などの各プロダクトの市況を適切に把握することで、最適なタイミングでの資産回転を進め資産効率の改善を推進していきます。