INTEGRATED REPORT 2024
CHAPTER 8
Risk Management
Risk Management
主なリスクと管理態勢
RiskManagement

「中期経営計画2027」取り組み事項の状況
総合リスクマネジメント(ERM)による経営資源の効率的配分を目指したリスクコントロールフレームワークの構築により、ビジネスモデルの深化と不透明なビジネス環境の変化に対応すべくリスク管理の高度化を進めています。
1. 資本に対比した適切な総リスク量のコントロールと事業ポートフォリオのリスク分散
資本利用率のガイドライン管理継続(資本利用率=総リスク量/連結経済資本)
財務規律維持の観点から資本利用率の連結ベースのガイドライン設定を継続し、管理・モニタリング実施中
特定カテゴリーに対するリスクリミットの導入
特定カテゴリー(航空機、投資、不動産)への集中リスクコントロールとして、2023年度に試行したガイドラインを2024年度に正式導入
事業分野別などの経済資本配賦
総リスク量のコントロールと事業ポートフォリオのリスク分散の追加施策として、引き続き検討を継続
2. 資本コストを意識したリスク・リターンの経営管理推進
- 事業やリスク特性を反映した事業別のリスク・リターン指標(資本コストベース)として、ROICスプレッド(投下資本利益率(ROIC)–加重平均資本コスト(WACC))の定期的なモニタリングを実施
- 今後のポートフォリオ・トランスフォーメーション(PX)推進への活用にあたり、適切なリスク・リターンを反映すべく課題を抽出
3. 投資マネジメントフレームワークの定着とさらなる高度化
投資カルチャーの育成を目的として、次の6項目からなる投資ガイドラインを制定
- 1.投資意義
- 2.投資基準との整合性(リスクに対応した収益性)の確保
- 3.投資金額の妥当性
- 4.リスク選好の明確化
- 5.適切なポートフォリオマネジメントを実現するために投資の流動性を確保
- 6.ESG/SDGsへの配慮
4. カントリーリスク、グローバルリスクへの対応力の強化
- ➀国別エクスポージャー管理と➁国や地域の政治・社会・経済などの環境変化をモニタリングすることで多面的にコントロール
- ソブリン格付などを参照し設定するカントリーリミットをガイドラインと位置付け、原則として国別エクスポージャーをガイドライン内で管理
- 大口案件時における外部情報ソースの活用や、投融資対象不適格国の指定により取引を回避・解消
- ACGは航空機ビジネスモデル特性を反映した独自のカントリーリスク管理を徹底
主なリスクと管理態勢

リスクヒートマップ
「リスク管理の基本方針」および「総合リスク管理規程」に定めるリスクカテゴリーについて、当社グループの業務内容の年次経年変化を評価し、影響度と発生頻度とのマトリックスによってマッピングしたものです。リスク監査におけるリスクシナリオの動向や、各リスク項目のリスク量、取り組み案件や事件・事故などさまざまな要素を総合的に勘案して毎年見直しています。2023年度より取締役会などに報告を開始するなど、関係者とリスク認識の共有・見える化を進めています。
