東京センチュリーのさらなる飛躍に向けて自由闊達に挑戦できる組織作りに取り組んでいきます。平崎 達也 取締役 常務執行役員 経理部門長 兼 経営企画部門長補佐 兼 経営企画部長 東京センチュリーのさらなる飛躍に向けて自由闊達に挑戦できる組織作りに取り組んでいきます。平崎 達也 取締役 常務執行役員 経理部門長 兼 経営企画部門長補佐 兼 経営企画部長

約30年にわたり、当社の様々なプロジェクトに関わった経験を活かし、取締役として強固な事業基盤の構築に貢献するとともに、従業員が挑戦心を持ち、結果として新たな事業が創出されていく土壌を作ってまいります。

これまでのご経歴と、取締役着任にあたってのお気持ちをお聞かせください。

私は新卒で当社の前身である東京リースに入社し、キャリアの大半を経理、会計、税務の領域で過ごしてきました。私が入社した1990年代は、日本全体がバブル崩壊後の厳しい経済環境であり、当社もその影響を受け、非常に困難なプロジェクトが多かったのですが、そうした経験ができたことは今に生きていると強く感じています。また、経理での経験を活かし、IR活動や経営企画等の様々なプロジェクトに携わってきました。今でこそIR活動は当たり前になっていますが、当社が本格的にIR活動を始めたころ、私はその立ち上げメンバーの一員としてIR活動の基礎づくりにも参加しました。経営企画部に異動してからは、NTTとの資本業務提携に携われたことが自分自身にとって大きな経験になっています。
加えて、IASB(国際会計基準審議会)とFASB(米国財務会計基準審議会)によるリース会計基準の見直しプロジェクトに参画したことを契機に、何事も強い意思をもって行動を起こすことの大切さを改めて認識できたと考えています。こうしたキャリアや専門性を、取締役会の一員として当社グループの持続的な企業価値向上のために精一杯役立てていきたいと思っています。

新・第四次中期経営計画における経営企画部門の役割、取り組みについてお聞かせください。

経営企画部では、中期経営計画の策定にも携わっています。現在の新・第四次中期経営計画における、基本戦略の1つ目は、グローバルベースでの事業基盤の確立です。具体的には、NTTとの資本業務提携等、パートナーシップに基づいて共創ビジネスを展開し、それを多く構築していくことです。直近では、富士通やふくおかフィナンシャルグループとの協業等を発表しています。今後も引き続き、当社の成長実現に向けて多くの事業基盤の構築を進めていきたいと思います。
2つ目は、良質かつ強固なポートフォリオの構築です。2021年度はその実現に向け、投資マネジメントフレームワークを導入しました。当社の事業がリース(金融)からサービス・事業へ急速に拡大していく中で、投資案件が非常に増えています。そのため、投資の採択からモニタリング、回収、撤退までを含めた一括管理が重要になります。新たな投資マネジメントフレームワークは、各事業のリスクに応じた資本コストなどを推計し、定量的な評価を行う一方、定性的には、当社の戦略と合致し、経営計画との親和性はあるかなどを総合的に評価することで、強固な事業基盤構築に向けた最適な資源配分を推進しています。
3つ目は、企業価値向上を支える経営基盤の構築です。経営企画部としては、ガバナンスの観点から取締役会の実効性評価に重点を置いています。また、当社は外部負債を多く抱えていますので、格付けの維持、向上も大きなテーマとして取り組んでいます。さらに、デジタル技術を活用してビジネスを変革していくため、DX戦略部を経営企画部門内に立ち上げ、DX戦略を推進しています。

新・第四次中期経営計画について特に注力すべきポイントをお聞かせください。

最終年度となる2022年度に向けて、経営企画部としてはマイルストーンに従い、着実に進捗させていくことを基本的な考え方としています。その中で特に注力すべきポイントは、多くの優良パートナーとの共創ビジネスにおいて着実に成果を出していくことです。単にパートナーシップを構築することが目的ではなく、構築した後が極めて重要です。特に、NTTとの資本業務提携は、当社の今後10年を支える主要な事業戦略の柱であり、4事業分野全体が関わる影響力の高いものです。NTTと当社の強みを融合した合弁会社であるNTT・TCリースをはじめ、当社の狙いどおりの成果がだせているかをしっかりと各事業分野とともに定期的に検証しています。
もう1点は、気候変動問題です。新・第四次中期経営計画策定当時より、社会のサステナビリティの観点は反映していますが、気候変動リスクの開示に対する要請や、気候変動対策に関する世の中の動きは急速に早まっていますので、対応に向け注力していきます。

東京センチュリーの長期持続的な成長を支える強みは何だとお考えでしょうか。

当社の強みは「金融・サービス」、「パートナーシップ」、「高度な人材」の3点です。
まず、「金融・サービス」について、当社の合併前の状況からご説明しますと、合併前のセンチュリー・リーシング・システムと東京リースでは、それぞれの会社でファイナンス・リースを中心にビジネスを行っていました。非常に低金利の環境が続き、ファイナンス・リース自体が縮小傾向にありました。また、リース会計基準の変更により、ファイナンス・リースのオフバランスが認められないなどの利点も失われました。さらにリーマン・ショックも起こり、日本の設備投資は急速に落ち込みました。こうした出来事が重なり、ファイナンス・リースの市場が6割程にまで縮小したのです。このような危機を乗り越えていくため、当時、改めて当社の持っている能力・強みを見直しました。一般的にリースと言えば、ファイナンス・リースを指すのですが、リースは多種多様な機能と役割があり、当社はそれを横軸で展開していくことにしました。具体的には、それぞれの会社が合併前に行っていた金融的なファイナンス・リースから、そこにメンテナンスサービスを加えたIT機器や車両を対象としたリース、物件の価値や市場価値に依拠して行う航空機や船舶リース、またレンタカーや不動産のリース等、幅広い領域がファイナンス・リースに隣接したところにあることに着目しました。こうした独自の「金融・サービス」を提供できることが1つ目の強みです。
また、ファイナンス・リースは信用リスクが大きな要素となりますが、サービスや事業を手掛けていくとリスク要因は多様化します。そのため、当社単独で事業を進めるのではなく、それぞれの専門的なパートナーと一緒に事業を開拓していくことでリスクを最小にとどめつつ、サービスと事業を多角化する戦略を進め、結果的にリスクの分散も図れています。この「パートナーシップ」が当社2つ目の強みとなっています。
一方で、専門的なパートナーと提携することで、簡単に事業を推進できるというものでもなく、当社も専門家になっていく努力が必要になります。そのためには、様々な業界からの中途採用を行い、多様な人材が活躍し、組織力全体の向上にもつなげてきました。「高度な人材」を多数有することができたのが、当社3つ目の強みとなっています。

こうした強みを推進・支援するための具体的な取り組み内容をお聞かせください。

新・第四次中期経営計画において、多様性を重視した人材開発と働き方を重要テーマとして掲げています。当社事業の根幹は人であり、人材戦略が最重要課題となるためです。そのため、2020年度に「TC Biz Challenge」という、従業員が失敗を恐れず新しい取り組みにチャレンジする新規事業提案制度を導入しました。この制度を導入したきっかけは、2019年度に実施した従業員意識調査により、当社がさらなる進化を果たしていくため、挑戦できる土壌作りが重要であると再認識したことです。
2020年は導入初年度でしたが、若手からベテラン社員まで幅広く応募があり、出てきた発想も幅広く、非常に熱意あるプレゼンテーションばかりで、想定を上回る結果でした。中でも入社3年目の若手従業員が、地球規模の課題解決のために挑戦をしたいことがあると熱い想いを語っていた時には、私の入社3年目の頃を思い出し、このようなチャンスがあることに少し羨ましい気持ちになりました。改めて当社の潜在能力を強く感じる出来事でしたし、私自身も負けていられないと非常に刺激を受けました。
「TC Biz Challenge」を推進していくことは、当社の強みである、アセットバリューに着目した金融・サービスの提供にも繋がっていくと考えています。サービスや事業が非常に幅広くなり、新しいサービスやビジネスを考えられる人材は必須になるためです。しかしながら、あくまでも本制度は一つの手段です。この制度を来年以降、さらに前進させるとともに、本来の目的である当社の企業風土を変革し、人材力の強化に注力していきます。また、パートナーシップの強化については、現場にいてこそ生み出せるものがあるという考えに基づき、基本的には現場の営業担当が主体となって推進し、経営企画部としては各事業部の戦略が全社的に見て適切であるかどうかの判断や現場が共創ビジネスを進めるためのサポーター役を担い、当社の「パートナーシップ戦略」の強化に努めています。

【NTTとの共創ビジネス】

ピンチアウトで図を拡大

インドではNTTグループとともにデータセンター事業の協業を開始しております。

DX、ESG/SDGs等、企業を取り巻く事業環境の変化はめまぐるしく、多種多様なものがあります。現在の市場環境と今後の見通しをどのようにお考えでしょうか。

新・第四次中期経営計画を策定した時点では、新型コロナウイルス感染症の流行を想定していませんでした。しかし、現在はその影響を考慮し、事業を推進していくために計画の見直しが求められています。例えば、昨今の移動需要の減退に伴い、レンタカーや航空機関連の売上は大きく落ち込みました。ワクチン接種率の上昇や治療薬開発の進展により行動制限が解除されることで、その業績は回復すると見込んでいますが、外部環境の変化を待つだけではなく、当社はアフターコロナの時代を見据え、さらなる成長を遂げるための準備を着実に進めています。また、レンタカー事業においては、DXを活用して収益力強化やコスト削減に向けた施策を推進する等、外部環境の変化に左右されずに成長できる環境づくりに取り組んでいます。
また、企業に対するESG経営の要請が強まっており、事業環境の大きな変化であると捉えています。特に、地球温暖化を原因とする影響が様々な形で現れてきており、脱炭素社会の実現に向けた取り組みは世界的規模で活発になっています。企業としてこの課題に取り組むことは一つの使命であると考えています。2020年、日本政府は経済と環境の好循環を目指すための「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しました。本成長戦略は当社のすべての事業分野に関わる領域であり、脱炭素社会の実現に向けた取り組みの推進は、当社にとって最重要課題であると位置づけて事業を進めていかなければなりません。当社では、これまでにオート事業におけるEVの普及や、スペシャリティ事業における再生可能エネルギー事業等に取り組んできました。また、国内のみならず日本と途上国を主体としたパートナー国と二国間で温室効果ガスの削減に取り組むJCM(二国間クレジット)事業において、当社は、日本の金融・サービス企業としては、最も多くの採択件数を誇ります。これからも国内外における温室効果ガス削減に資する事業に挑み続け、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

【京セラとの共創ビジネス】

ピンチアウトで図を拡大

京セラとの共同事業会社である「京セラTCLソーラー合同会社」をはじめ、脱炭素社会の実現に向けた環境・エネルギー分野における取り組みを推進しています。

最後に、従業員に望むことは何でしょうか。

当社の事業を支えているのは、何よりもまず人材です。従業員一人ひとりが高い専門性を身に着け、その力を今後もさらに高めてほしいと思います。
一方で、当社は個人単体ではなく、組織全体の力で勝負している会社です。高い専門性を備えた個は必要ですが、個の力だけでは限界があります。個の力を組織力に変えていかなければならないというのが私の基本的な考えです。そのためには、メンバー同士が信頼し、コミュニケーション力に磨きをかけていくことが必要ではないのでしょうか。他人から信頼を得るには、仕事に対する信頼と人間性に対する信頼の両方が必要になります。相手に認められるだけの仕事をする一方で、相手をリスペクトし、時には寄り添い、同じ意識をもった仲間だと認識させることが必要です。そのために、仕事で関わるそれぞれのメンバーが、互いに信頼を勝ち得られるよう努力し、組織力向上に繋げていって欲しいと思います。

平崎 達也

取締役 常務執行役員 経理部門長 兼
経営企画部門長補佐 兼 経営企画部長

(記事の内容、肩書などは掲載当時のものです)