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より付加価値の高いビジネスに取り組む「金融機能を持つ事業会社」へのシフトを推進。 雪矢 正隆 取締役執行役員副社長 国内リース事業分野担当 より付加価値の高いビジネスに取り組む「金融機能を持つ事業会社」へのシフトを推進。 雪矢 正隆 取締役執行役員副社長 国内リース事業分野担当

2016年の社名変更以来、当社は「金融×サービス×事業」の3軸融合による「金融機能を持つ事業会社」として、事業領域の拡大を図ってきました。推進役を担ってきた当社の4つの中核セグメントの1つである国内リース事業分野の取組みを紹介します。

これまで国内リース事業分野は、東京センチュリーにおいてどのような役割を担ってきたのでしょうか?

私は2019年4月から国内リース事業分野の担当役員に就任しました。国内リース事業分野は東京センチュリーの中核となる4つのセグメントの1つであり、国内リースの取扱高において業界トップクラスの実績を誇ってきました。そして、同事業分野は東京センチュリーにおける2つの大きな経営基盤を支えてきたと私は捉えています。
1つは約2万5000社の顧客基盤で、もう1つは健全な財務基盤です。従来のリース事業はローリスク&ローリターンであるがゆえに健全で安全な営業資産と評価され、それをベースに当社のクレジット(信用)が高まり、有利に資金調達を行えました。しかしながら、世の中は劇的に変化しており、リースという事業の取り巻く環境も変容しています。

近年の国内リース事業分野を取り巻く環境には、どんな変化が生じたのでしょうか?

当社は2016年10月に社名からリースという言葉を外し、「金融×サービス×事業」の3軸融合による「金融機能を持つ事業会社」として、事業領域の拡大に取り組んできました。かつての国内リースはファイナンス機能として得られる金利収益が中心でしたが、「収益の多様化」を掲げて手数料収入や事業収益の拡大を図ったわけです。併せて、4つの事業分野が単体から連結の業績を重視する方向へと舵を切り、前述した顧客基盤を最大限に活用してグループ内でのシナジー(相乗効果)を追求することにも注力しました。こうしてより付加価値の高いビジネスを推進することで、資産効率、資金効率の向上に努めてきた次第です。
まだ東京センチュリーリースと名乗っていた当時の当社は、より金融に近い立ち位置だったと思います。しかし、リースという言葉を外してからは商社に近い方向へと舵を切っていきました。その結果、いまはちょうど両者の中間に位置しています。

金融と商社の中間の立ち位置とは、どういったことを意味していますか?

国内事業分野のコーポレート営業部門は大手企業との取引が中心ですが、もはや、こうしたお客さまの間では従来型のリースに対するニーズは限定的です。大手企業の多くはわざわざリース会社から資金を調達するニーズがほとんどありません。また、会計基準の変更から、リース資産をバランスシートに計上することとなり、リース需要は資産管理を目的とした情報通信関連機器や自動車などに集約されてきています。このような大きな変化を踏まえて、コーポレート営業部門ではお客さまである大手企業のお客さまと、リースだけではなく共同でビジネスに取り組むことに注力してきました。

そのような方針の下で、第三次中期経営計画(2016〜2018年度)では国内リース事業分野としてどのような成果を上げてきたのでしょうか?

営業基盤・経営基盤強化の実績の1つとして挙げられるのは、サブスクリプション*プラットフォーム事業を手掛けるビープラッツに出資を行い持分法適用関連会社にしたことです。今後はサブスクリプション型ビジネスへの取り組みをさらに強化していく方針です。
一方、国内での人手不足が深刻化している状況を見据えて、有力パートナーと協働し、川崎重工業とは産業ロボット、安川電機とは医療用リハビリロボットのレンタル事業をスタートさせました。他方、環境に配慮した循環型経済社会の実現への貢献を目指す取組みとして、下水汚泥処理で発生する消化ガス事業を進めるべく月島機械と共同事業会社を立ち上げました。
さらに、最近では、工作機械メーカーのアマダホールディングス傘下であったアマダリースを当社の連結子会社としました。同社はアマダグループの国内販売金融会社の役割を担ってきましたが、当社が参画することにより、先進的なファイナンススキームに対応した多彩なサービス提供を目指します。
他にも同様のアプローチとしては、当社とIHIが出資しているIHIファイナンスサポート、当社とオリエントコーポレーションが出資しているオリコビジネスリースなどが挙げられます。そして、その先駆けとなったのは、2008年に富士通リースを当社の連結子会社としたことでした。

*サブスクリプション:ソフトウェアやサービス等の利用形態の一つで、「モノ」を買う・借りるのではなく、利用量・利用期間に応じて利用料を支払う形態のこと

第四次中期経営計画(2019〜2021年度)における国内リース事業分野の重要テーマや主要施策についてお教えください。

国内リース事業分野は重要テーマとして大きく3点を掲げています。1つ目はリースビジネスのバリューアップと共創ビジネスの加速、2つ目はデジタルトランスフォーメーションに対応した新たな事業ドメインの創出、3つ目はビジネススタイルの変化に合わせた組織の最適化・業務効率化です。それぞれを簡単に補足しますと、1つ目はリースビジネスの付加価値をさらに高め、パートナー企業とともに新たなビジネスモデルの構築に引き続き注力すること、2つ目はIoT、AIなどの最新デジタルテクノロジーを駆使しつつ当社ならではの競争優位なビジネスモデルを創出していくこと、3つ目は事業環境に応じた機動力ある組織体制の構築とスピード感ある業務効率化の追求を意味しています。
私自身が注目しているのは、環境関連や社会性のある分野とともに、人手不足の問題です。少子高齢化が進んでさらに生産人口が縮小していく中で、どういったソリューションを提供するのが最善なのかが問われてくると思います。おそらく、現状において考えられる糸口がIoTやRPAなのでしょう。
いずれにしても、中期経営計画を推進していくうえでは、収益を拡大するとともに効率も高めていくという“二兎”を追うことになります。量の拡大と質の向上を同時に求めるとは、分母の収益性とリスク耐性を勘案しつつ、いかに分子を増やしていくのかを追求することを意味します。けっして容易ではありませんが、ひたすら知恵を絞っていくしかありません。

一連の戦略は、広く注目されているSDGs(持続可能な開発目標)とどのような関わりがあるのでしょうか?

ここ数年で、個人の価値観や生活スタイルは劇的に変化してきています。企業経営もしかりで、環境に対する取組みとしては、仮に当該事象がコストアップに繋がる結果となっても環境保全への貢献を優先するようになりました。そして、世の中は「モノ消費」から「コト消費」へとシフトしていますが、誰かがモノを所有する役割を担わなければならないのも事実です。
そこで、当社が消費者・企業に代わってモノを所有・管理し、上手くビジネスのマッチングとシェアリングを展開するという役割を果たせると考えています。すでに自動車や農機具などではビジネス化されていますが、こうしてメーカーと我々がいっしょになってビジネスを展開するという取り組みは今後も拡大していくことでしょう。
このようにいち早く時代の変化やニーズを察知して一歩先んじようとしたら、おのずと循環型経済社会に対応した再生可能エネルギービジネスや、IoTを活用したサブスクリプションプラットフォームの展開などの新しいビジネスにたどり着き、結果的にSDGsが掲げる17の目標のいずれかに結びつく事業になってきたと考えています。

メッセージをお願いいたします。

収益力の向上、企業価値の拡大、いっそうの社会の貢献、SDGsへの強い意識を持った経営に取り組んでいくためにも、人材の育成・確保が重要であると認識しております。ステークホルダーの皆さまの期待に応え、社会から必要とされる企業となるためにも、知恵を絞り、パートナーと手を携えながら専門性の高いビジネスを展開してまいりますので、末永くご支援の程、よろしくお願い申し上げます。

雪矢 正隆

取締役執行役員副社長 国内リース事業分野担当

伊藤忠商事を経て2011年に入社、同6月に取締役常務執行役員に就任。国内大手商社、小売・サービス業などの根幹先を担当するコーポレート営業第三部門の部門長を経て、2019年6月に取締役執行役員副社長に就任。国内リース事業分野担当として従事している。

(記事の内容、肩書などは掲載当時のものです)