1. HOME
  2. 私たちの挑戦
  3. 私たちが考える東京センチュリーの未来
  4. 次の10年に向けた強固な事業基盤を確立

より付加価値の高いビジネスに取り組む「金融機能を持つ事業会社」へのシフトを推進。 雪矢 正隆 取締役執行役員副社長 国内リース事業分野担当 より付加価値の高いビジネスに取り組む「金融機能を持つ事業会社」へのシフトを推進。 雪矢 正隆 取締役執行役員副社長 国内リース事業分野担当

ステークホルダーの皆さまには、日頃よりご支援を賜りまして、誠にありがとうございます。
この度代表取締役社長に就任いたしました 野上誠でございます。当社では主に国内リース事業分野を統括し、直近では子会社である日本カーソリューションズの社長を5年間勤めておりました。これまでの経験を活かし、新・第四次中期経営計画を着実に遂行し、事業を通じて社会課題の解決に一層貢献できる会社を目指してまいります。何卒ご支援、ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

2020年3月期の業績について

当期の業績は、売上高は前期比9.3%増加の1兆1,666億円、営業利益が同13.7% 増加の883億円、経常利益が同5.5%増加の911億円、親会社株主に帰属する当期純利益(当期純利益)は同7.7%増加の563億円となり、経常利益は11期連続、当期純利益は9期連続で過去最高益を更新しました。
セグメント資産残高(2019年3月期決算短信まで開示していた営業資産残高に、持分法適用関連会社への投資額、のれん等を加えた額)は、Aviation Capital Group(ACG)完全子会社化により、前期末比1兆1,421億円増加の4兆7,730億円となりました。

クリックで図を拡大

※2020年3月期第1四半期より、2019年3月期決算短信まで開示していた営業資産残高に各事業分野(セグメント)に帰属する資産(持分法適用関連会社への投資額、のれん等)を加えております。この変更により、過年度にさかのぼって組替再表示しています。

新・第四次中期経営計画と新社長としての経営方針について

当社は、2019年 12 月の米国航空機リース会社 ACGの完全子会社化に続き、2020 年2 月の日本電信電話(NTT)との資本業務提携契約の締結ならびに第三者割当増資等を踏まえ、第四次中期経営計画を1 年で終了し、2020 年 2月に新・第四次中期経営計画を公表、4月からのスタートにあたり浅田前社長(現会長)からバトンを引き継ぎました。
新・第四次中期経営計画では、「信頼されるサービス・事業パートナー」を目指すことを「次の10年」に向けた当社グループのビジョンに掲げ、最終年度の2023 年 3 月期の計画目標値として、経常利益 1,300 億円、親会社株主に帰属する当期純利益 800億円、自己資本比率12%、ROE12%を経営指標に設定しています。

ピンチアウトで図を拡大

第一次〜第三次中期経営計画(2010〜2018年度)まではお客さまの課題解決に何ができるかということを主軸に事業を展開まいりましたが、第四次中期経営計画以降は「社会課題の解決に貢献していく」というミッションを一層明確にしています。基本的にはこうした方針を踏襲しつつ、より「社会に喜ばれ、必要とされるサービスを提供し続けていく」ことを意識して経営に臨む所存です。
当社の社長就任前、私は日本カーソリューションズの社長を務めていましたが、オートリースは銀行系、自動車メーカー系など様々なバックグラウンドの同業他社が数多く存在し、一般リースにも増して競合が厳しいマーケットでした。そこで選択した戦略は、徹底したクオリティの向上とサービス品質にこだわり、お客さまの課題に寄り添う、付加価値の高いビジネスを展開することでした。それが奏功し、同業他社のロープライス戦略に対抗し、成果を得ることができたのです。
高いクオリティへのニーズは、国内オート事業だけに限られた話ではありません。当社においても同様に、規制に縛られない自由な経営環境のもと、オペレーティング・リースを基幹事業とし、他社が真似できない高付加価値のビジネス創出に挑戦することが極めて重要だと考えています。
独自性のあるサービスを提供することで社会に貢献し、「次の10年」に向けて当社の企業価値を向上させていく中、パートナー企業とのアライアンスをさらに深め、当社の特色である「金融×サービス×事業」を深堀してまいります。

ピンチアウトで図を拡大

新・第四次中期経営計画の具体的施策
NTTとの資本業務提携による協業の推進

NTTは第三者割当増資により当社株式を10%取得し、当社の第三位の大株主となりました。NTTグループの金融中核会社であるNTTファイナンスからリース・グローバル事業をカーブアウト(分離・独立)し、NTTグループと当社が各50%出資して新会社を設立、2020年7月より共同運営を行っていく方針です。かねてより当社グループは傘下の日本カーソリューションズを通じてNTTとのアライアンス事業を展開してきており、その成果が今回の資本業務提携につながったものと思います。今後は共同でグローバルにリース事業を進めていくことになりますが、NTTとの提携ビジネスにおいては国内リース事業のみならず、4つの事業分野の枠組を超え、東京センチュリーの総力を結集して推進していきます。環境・エネルギーや不動産といった事業領域、デジタル化・IoT等の成長分野、国内外でのデータセンター事業など、様々な分野でのアライアンスを拡充し、早期に結果を出していきたいと考えています。

新・第四次中期経営計画の具体的施策
航空機バリューチェーンの強化

ACGがグローバルに展開している航空機リースは、高い専門性が求められる分野であるため参入障壁が高く、当社グループの今後の成長に欠かせない事業です。世界トップクラスの航空機リース会社を傘下にしたことで、グローバルに航空機オペレーティング・リースを展開する体制が整いました。
また、当社はLCCのジェットスターや、中古機体のジェットエンジン等の航空機部品・サービスを提供するGA Telesis(GAT)などにも出資し、航空機のライフサイクルマネジメントを可能にするバリューチェーンを構築してきました。ACGは新造機や就航年数の浅い機体のオペレーティング・リースを中心に事業を展開している一方で、GATは中古機体を解体し、ジェットエンジンなどのパーツを分解・メンテナンスして転売するビジネスを手掛けています。これからはACGのネットワークを駆使して調達した中古機体をGATに供与する、あるいはジェットスター向けの機体のオペレーションをACGが手掛けるなどの、多面的なビジネス展開も期待できます。今後はグループでの連携を強化し、航空機ビジネスにおけるプレゼンスを一層高めてまいります。新型コロナウイルスの感染拡大によりグローバルな人の移動が制限される中で、航空機の需要予測は下方修正される可能性があります。一方で、エアラインによるオペレーティング・リースの採用が加速されると見ており、それに伴うリース比率の上昇から、航空機リースは今後も有望なビジネスと認識しています。

新・第四次中期経営計画の具体的施策
Advantage Partnersグループとの資本業務提携

当社は、Advantage Partnersグループとのパートナーシップ強化を目的に、Advantage Partners (H.K.) Limitedと業務提携契約を締結し、同社の発行済普通株式14.9%の取得と同社が実施するエクイティファイナンスの引き受けを決定いたしました。
Advantage Partnersグループは国内有数の実績を誇るプライベートエクイティファンドであり、当社は今後協業して共同投資や投資先企業へのファイナンス機能提供、経営支援などを進めることとなります。これについては国内リース事業、スペシャルティ事業のコラボレーションが重要になるでしょう。「次の10年」を支える“第5の柱”となる事業は、こうした取り組みの中から創出されてくるのではないかと考えています。

各事業分野の取り組みと今後の展望について

国内リース事業分野

「金融×サービス×事業」の取り組みを実践し、身を切る改革も断行した結果、収益水準を維持するとともに、同業他社と比べ高いROA(総資産利益率)を実現しています。今後は有力パートナーとの共創ビジネスや、サブスクリプション型ビジネスの拡大なども含め、高付加価値のビジネスを推進していきます。

国内オート事業分野

日本カーソリューションズ、ニッポンレンタカーサービス、オリコオートリースの3社からなる国内オート事業部門の誕生から5年経過しましたが、その間に経常利益が倍増し、飛躍的な成長を果たしました。現在は3社でメンテナンスや事務に関して協業するなど、シナジーの拡大に注力しています。自動車業界は100年に1度の変革期にあるといわれますが、CASE(Connected・Autonomous・Shared & Services・Electric)やMaaS(Mobility as a Service)といったグローバルな取り組みにも着々と次の手を打つことで、10年後もトップランナーとして存在できるよう取り組んでいます。

スペシャルティ事業分野

ここ10年間にわたって当社の成長をけん引してきました。航空機の他にも環境・エネルギー、不動産など、高い利益貢献を続けるセクションが多く、新・第四次中期経営計画においても成長の柱になるのは間違いありません。引き続き専門性を磨き上げ、パートナー企業に欠かせない存在となり、共創ビジネスを掘り下げていきます。

国際事業分野

各国の地場優良企業とのアライアンス戦略のもと協業を進めてきました。米国では2016年に完全子会社化したCSIリーシングが利益成長をけん引しており、さらなる成長も期待できます。ASEANにおいては、Lippoグループなどとのアライアンスにより、現地で急拡大するデジタルエコノミーやモビリティ革命への対応を進め、収益拡大を目指します。

サステナビリティ経営の推進について

当社の祖業であるリース業では日常的にリデュース(廃棄物削減)・リユース(再利用)・リサイクル(再生)の3Rを実践しています。歴史的にも循環型経済社会に貢献してきた業態といえるのではないでしょうか。
当社ではSDGsに対する5つのマテリアリティ(重要課題)を策定することで、より広範な社会的課題の解決に向けた具体的な取り組みを推進しています。すでに「二国間クレジット制度」(日本が有する低炭素技術や製品・サービス、インフラを新興国に提供することで温室効果ガス削減などに貢献し、その成果を二国間で分けあう制度)における積極的な取り組みは、大きな成果をもたらしています。また、日本カーソリューションズでは、災害時において非常電源車として利用できるEV(電気自動車)の普及・推進により成果を上げています。2019年の台風15号により千葉県は長期の停電に見舞われましたが、その際に日本カーソリューションズが手配したEVが老健施設などの非常用電源として大活躍しました。
また、こういった事業での取組みを、広報・IR活動等を通じて開示することにより、ステークホルダーの皆さまとのエンゲージメント強化を図っております。2020年5月には、日本経済新聞社、日経BP主催で開催されました「日経 大手町 丸の内 有楽町エリア SDGsフェス「日経SDGsフォーラム シンポジウム」に、取締役 専務執行役員の馬場が登壇し「持続可能な開発目標(SDGs=Sustainable Development Goals )」の達成に向けた東京センチュリーの取組みなどについてご紹介しました。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、オンラインでの開催となりましたが、当日は日本だけでなく海外からも含め約3,000名の方々にご聴講いただきました。

2021年3月期の業績予想と株主還元について

当期における事業環境は、雇用・所得環境の改善等を背景に緩やかな回復基調にて推移いたしました。一方、消費税率の引き上げに伴う一時的な景気後退や、米中貿易摩擦、中国経済減速懸念等の海外経済の不確実性、加えて世界的に拡大する新型コロナウイルス感染症の影響により、先行き不透明な状況が続いております。このような状況下、当社グループは、2020年度を初年度とする新・第四次中期経営計画に基づき、「金融機能を持つ事業会社」として、環境変化に対応した新しい金融・サービスを不断に創出し、「信頼されるサービス・事業パートナー」を目指してまいります。
2021年3月期の連結業績については、売上高が前期比2.9%増加の1兆2,000億円、営業利益は同20.8%減少の700億円、経常利益は同17.7%減少の750億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同20.1%減少の450億円を見込んでおります。2020年3月期の期末配当につきましては、期初の期末配当予想に対して1株当たり2円の増配を実施し、1株当たり69円(年間136円)とさせていただきました。2021年3月期の配当につきましては、足元の事業環境下、業績の落ち込みは避けられないものの、長期的かつ安定的に利益還元を行うという基本方針を踏まえ、1株当たり年間136円(中間配当68円、期末配当68円)とさせていただく予定です。これにより直近5年間(2016年3月期実績から2021年3月期予想)の配当金につきましては、年間配当80円から136円へと56円の増配(約70%増)となる予定です。

ステークホルダーの皆さまへ

「次の10年」を可能な限り思い描いて、新・第四次中期経営計画を策定しました。達成すればおのずとその先の視界が開けてくると信じ、まずはこの3年間をしっかり仕上げていきたいと考えています。足元では新型コロナウイルスによる世界経済の混乱が深刻化していますが、厳しい情勢下でもお客さまに寄り添いながら、我々として何ができるのかを見極め、社会的な要請に応えてまいります。さらに先を展望すれば、事態の収束とともに新たなビジネスのニーズも出てくると考えています。
当社はリーマンショックや東日本大震災といった幾多の苦難と遭遇しながら、着実に成長を果たしてきました。全社一丸となって困難を乗り越えることは当社の文化だと感じています。皆さまにおかれましては、引き続きご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

野上 誠

代表取締役社長

1976年、第一勧業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)入行。みずほ銀行常務執行役員を経て、2008年東京リース(現東京センチュリー)取締役就任。取締役執行役員副社長、日本カーソリューションズ代表取締役社長を経て、2020年4月に当社社長に就任。

(記事の内容、肩書などは掲載当時のものです)