企業のITの実力が会社の将来を左右する時代。お客さま・パートナー企業のビジネスの挑戦をアシストするシステム/インフラ戦略を推進。玉野 治 取締役常務執行役員・システム部門長 兼 事務部門長 兼 コーポレート営業第二部門長 企業のITの実力が会社の将来を左右する時代。お客さま・パートナー企業のビジネスの挑戦をアシストするシステム/インフラ戦略を推進。玉野 治 取締役常務執行役員・システム部門長 兼 事務部門長 兼 コーポレート営業第二部門長

AIによるビッグデータ分析やロボットによる業務の自動化、テレワークなど、最新技術が働く環境を一変させようとしています。東京センチュリーグループはこの時代の流れにいち早く対応し、守りと攻めのシステム/インフラ戦略を推進しています。

第三次中期経営計画(2016〜2018年度)ではシステム部門、事務部門においてどういった方針を掲げ、どのような進捗を示してしてきたのでしょうか?

守りと攻めの2つの側面から方針を掲げ、守りでは「事業ポートフォリオの変化への対応と業務の効率化」を方針に定め、既存システムの保守や運用の効率化を進めつつ、RPA(ロボットによる業務の自動化)の活用に積極的に取り組んできました。

一方、攻めでは「最新のITテクノロジーの活用による新たなビジネスの創出」の方針のもとで施策を進めてきました。東京センチュリーグループの日本カーソリューションズはNTTコミュニケーションズとともに、AI(人工知能)を活用した交通運転コンサルティングサービスを展開しています。自動車に設置したドライブレコーダーの画像をAIが分析し、運転の安全性を自動判定することでドライバーの意識向上と事故の軽減に貢献するというものです。また、国際事業分野では中国の銀聯商務とともに、新たな金融サービスの仕組みを構築しています。

中国において銀聯商務との連携でスタートさせた新たな金融サービスについて、ご説明ください。

東京センチュリーは銀聯商務と連携し、銀聯商務の加盟店オーナーに対し、スマホアプリを通じてリースを提供する新たな仕組みを構築しました。銀聯商務は中国最大のカード決済サービス会社で、その与信審査の自動化を図るため、当社が銀聯商務の取引データをAIで分析。審査から契約締結までスマホで完結するアプリを開発し、銀聯商務のポータルサイト「天天富」において加盟店が商品をリースで調達できるようにしました。

銀聯商務との協業において、システム部門はどのような役割を果たし、どういった対応を行ってきたのでしょうか?

与信審査の自動化のため、東京センチュリーのシステム部門のスタッフを中国に派遣し、銀聯商務の用意した専用のデータルームでAIによる分析を担いました。また、審査から契約締結までスマホで完結するアプリに関しましても、東京センチュリーのシステム部門による自社開発となっています。

銀聯商務の事例だけにとどまらず、ITを活用した新たなビジネスを創出するためのヒントやアイデアは現場に数多く潜んでいるものです。今後も各営業部門や事業企画部などと連携しながら、現場からの要望や相談にしっかりと応えていくことで、新たな取り組みが生まれていくケースが増えてくることでしょう。システム部門は専門家集団として、ITを活用したビジネスを創出する際のコンサルタント的な仕事ができるような組織でありたいと思っております。そのためにも部門全体でのレベルアップが不可欠で、中途採用による優秀な人材の獲得にも力を入れています。

次期中期経営計画ではどのような方針を打ち出す予定ですか?

守りと攻めの両面からIT活用を進める方針に変わりはありませんが、重要なのはそのバランスだと考えております。併せて、サイバーセキュリティー対策の強化も図ります。

RPAに関しては、すでに社内で50前後のロボットが稼働していますが、今後は営業現場をはじめとするより幅広い部署に導入を拡大させていきます。RPAで対応できない業務は、EAI(企業内システム間のデータ連携ミドルウェア)の活用により合理化する方針です。

システム部門、事務部門における戦略は、広く注目されているSDGs(持続可能な開発目標)とどのような関わりがあるのでしょうか?

SDGsは国連サミットで採択された2016〜2030年における国際目標で、地球環境を意識した経営が一層求められています。東京センチュリーは2018年4月にサステナビリティ委員会を新設し、ESG、SDGsの推進に取り組んでいます。17の項目からなるSDGsの目標のうち、特に「8:働きがいも経済成長も」という項目がシステム部門、事務部門にも深く関わっています。

その中でさらに12の課題が示されており、その1つである「イノベーションを通じた高いレベルの経済生産性の達成」はまさに事務・システム部門が主導すべきテーマで、最先端技術を大いに活用しながら、業務の進め方を抜本的に見直すことで生産性の向上に努めます。

ペーパーレス化やテレワークなど、新しいオフィスをめざして東京センチュリーが推進している主な取り組みについてご説明願います。

テレワークは政府が推進する「働き方改革」にも直結することで、実現のためにはシステム面のインフラ整備が不可欠です。東京センチュリーでは軽量のノートPCやタブレット端末をより積極活用することを検討しており、時間や場所の制約を受けずに効率的に働ける環境作りを推進していきたいと考えています。

テレワーク化を進めるうえでは、端末機器の持ち運びに伴う情報漏洩リスクに対処する必要があります。この問題を解決するため、VDI(デスクトップの仮想化)を導入する予定です。アプリケーションソフトやデータといった情報資源はすべてサーバー側が一元管理し、個々の機器はサーバーから転送された処理結果の画像を映すのみという方式です。

「攻めのIT経営銘柄」を4年連続で受賞したとのことですが、これはどういった企業が選ばれるものなのでしょうか?

2015年から東京証券取引所と経済産業省は、共同で「攻めのIT経営銘柄」を公表しています。これは、同市場における全上場銘柄の中から、中長期的な企業価値の向上や競争力の強化といった視点でITの利活用を推進している企業を業種区分ごとに選定したものです。

東京センチュリーは4年連続で「攻めのIT経営銘柄」に選ばれました。ROE(自己資本利益率)をはじめとした経営効率を示す指標面をはじめ、最先端のIT活用を推進してきたことが評価されてのことと自負しております。

今後も、お客さま・パートナー企業のビジネスの挑戦をアシストできるようなシステム/インフラ戦略を推進していきます。

昨今は自然災害が相次いで甚大な被害が発生しておりますが、そういった事象は御社のシステム部門、事務部門における戦略にも何らかの影響を与えているのでしょうか?

北海道地震において大規模な停電が発生した際は、東京センチュリーではタブレット端末を通じて札幌支社と連絡を取り、現地の状況を把握することができました。かねてからテレワークの環境整備を進めてきたことも、こうした災害時の安否確認や情報収集において奏功したとも言えるでしょう。IT活用によるテレワークの推進は、BCP(事業継続計画)※の観点においても効果があります。

いずれにしても、今やITは極めて重要な社会インフラとなっており、サイバーセキュリティ対策はもちろん、自然災害のことを念頭に置いたうえで、より強固な体制を構築することが求められています。そこで、東京センチュリーではデータセンターを構築する際にはその立地条件を熟考していますし、重要なシステムについては、システムに何らかの障害が発生した場合も全体的な機能停止に陥らないように、予備装置を平常時からバックアップとして配置・運用しています。

※ BCPとは、自然災害などといった緊急事態が発生した際に、企業がダメージを最小限に抑えながら、事業の継続や復旧を図るためのプランのこと。

メッセージをお願いいたします。

2009年4月に合併して東京センチュリーが発足以来、10年近い歳月が経過しましたが、その間に東京センチュリーグループは事業領域を拡大し、経常利益が当時の約3.5倍の規模に達する一方、お陰様で投資家の皆様からも高い評価を頂戴し、株価も10倍以上に上昇しました。

ただ、ややもすれば会社が急成長を遂げると、バックオフィス業務がそのスピードに対応できず、ほころびが生じてしまうようなことが起こりえます。東京センチュリーグループが関わっている金融というビジネスではシステム部門、事務部門が極めて重要な役割を担っていますし、その業務の効率性を高めるITの活用が不可欠となってきています。

しかも、ITは単に業務の正確性や効率性に資するだけにとどまらず、新たなビジネスの創出にも結びついています。ITをどれだけ活用できるのかが、その会社の将来を左右するような時代を迎えていると表現しても、決して過言ではないでしょう。

東京センチュリーは業界の先頭集団を走る1社であると自負しておりますが、さらに高いレベルをめざすためにも、そのような会社に相応しいシステム部門、事務部門の確立を図り、会社の発展に貢献していきたいと考えております。

玉野 治

取締役常務執行役員
システム部門長 兼 事務部門長 兼 コーポレート営業第二部門長

1985年に入社。広報IR室長、経営企画部長、営業第五部長を経て2018年に取締役常務執行役員に就任。システム部門長、事務部門長および運輸・商社・小売・サービス、情報・メディア・通信会社などの根幹先を担当するコーポレート営業第二部門の部門長として従事している。

(記事の内容、肩書などは掲載当時のものです)