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長期男性育休取得者にメリットデメリットを聞いてみた
~育休も大切なキャリアの一部に~

2024年2月28日

2022年に育児・介護休業法が施行され、男性の育休取得率の向上に取り組む企業が増えています。厚生労働省の調査では、男性の育児休業(以下、男性育休)の取得率は17.13%(2022年度)と女性の取得率80.2%と比較すると大きく差があります。政府は、取得促進に向けた施策として、休業中の給付について、実質8割となっている給付率を実質10割に引き上げる案を示すなどの動きも進んでいます。

東京センチュリーでは、男性育休の取得率は100%と高い一方で、長期育休取得者はまだ多くないのが実情で、長期の育休が取得しやすい環境整備に取り組んでいます。そこで今回は、実際に7カ月の育児休業を取得した若林さんとこれから育休を取得予定の小玉さんに、育休前の準備や育休中の生活、取得にあたっての率直な気持ちなどを伺いました。

男性育休の一番の心配は、後任への引継ぎと今後のキャリア

――若林さんは2023年4月から10月まで7カ月の育休を取得されたとのことですが、今回なぜ長期の育休を取得しようと思われたのでしょうか?

若林さん(以下、敬称略):上の子が生まれた6年前は会食等が多い部署で、さらに時代的にも育休が取りやすい環境になかったということもあり、育休は4日しか取得しませんでした。あとから振り返るとあまり育児に関われなかったという後悔があって...。第二子の時はニュースなどでも男性育休に関する話題がよく出ていたこともあり、今度は長期で取りたいと思うようになりました。

若林「妻は新卒入社の同期で、現在は時短勤務をしています。第一子は6歳で、今年の春に小学校に入学予定です。2022年の11月に第二子が生まれました。」
若林「妻は新卒入社の同期で、現在は時短勤務をしています。第一子は6歳で、今年の春に小学校に入学予定です。2022年の11月に第二子が生まれました。」

――上司の方にはどのようなタイミングで相談されましたか?

若林:職場には出産の4、5カ月前に報告し、「長期で育休を取りたいです」と相談をしました。国内リース事業分野だと前例がなかったのですが、上司は取得に理解を示してくれて、とてもありがたかったです。業務の引継ぎなど部内の運営体制の調整もあったので、取得にあたってはよく話し合いをしました。

最終的に、2023年3月末まではしっかりと引継ぎをして、期初の4月から育休に専念する形にしました。

――育休に入る前、一番心配だったのはどんなことでしょうか?

若林:周囲の方に迷惑をかけないようスムーズな引継ぎができるかどうかというところです。例えば、4月1日異動の場合、3月初旬に人事発令が出てからの引継ぎとなるため、2、3日程度で引継ぎを終える必要があります。育休中は会社から貸与されるPCや携帯は返却するため連絡が取りにくくなり、引継ぎ期間が短いと後任の方が困るのではないかという懸念がありました。私の場合は幸いにも同じ部内のメンバーへ引き継ぐことができたため、約1カ月と通常よりも余裕のある期間で引継ぎができました。

――育休中は仕事から離れることになりますが、不安なことなどはありましたか?

若林:長期間仕事から離れることで、「キャリアも遅れてしまう」という焦りは正直あったと思います。しかし、ちょうど育休取得前にキャリアデザイン室を通じて、外部のキャリアコンサルタントの方との面談の機会をいただき、そこでキャリアへの不安などを相談することができました。コンサルタントの方からは、「自分の人生で何を優先に考えるかということが大切」というようなお話をいただき、最終的に、仕事も大切ですが今は家庭を優先したいと思い決意しました。長い目で見ると、今回の決断が将来的には部下の育成などの面で役立ってくるのかもしれませんし、育児休業の取得は大切なキャリアの一部になると前向きに捉えています。

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長期の育休取得を後押しした先輩たちの実績

――続いて小玉さん、長期の育児休業を取得しようと思ったきっかけを教えていただけますか?

小玉さん(以下、敬称略):第一子の時は育休を5日取得し、今回も同程度取得できればいいと考えていました。しかし、若林さんが長期育休を取得されていることや、他にも長期で取得されている方から「結構長めに育休を取っています」というお話を伺いまして。そういう方が社内でいらっしゃるのであればぜひ私も取ってみようと背中を押されて気持ちが変わったことを覚えています。

小玉「第一子が2021年3月に生まれ、2024年の2月下旬に第二子が生まれる予定です。妻はフルタイムで働いており、在宅勤務や時差勤務を使いながら保育園の送り迎えや家事などを分担しています。」
小玉「第一子が2021年3月に生まれ、2024年の2月下旬に第二子が生まれる予定です。妻はフルタイムで働いており、在宅勤務や時差勤務を使いながら保育園の送り迎えや家事などを分担しています。」

――取得期間や時期についてはどのように決められましたか?

小玉:2月下旬に第二子が生まれる予定なのですが、今回は上の子のお世話も必要になるので、前回以上に育児が大変になる事もあり、生まれてから1カ月程度育休を取得しようと考えました。
ただ、私が所属する経理部は本決算対応で4月が繁忙期にあたるため、その期間に育休を取得することは避けようと思いました。月次の定例業務等への影響も出来るだけ抑えたいと考え、2月後半から約1カ月分割して取得することとしました。

――長期育休について、上司の方の反応はいかがでしたか?

小玉:昨年の12月に直属の上司に相談をしましたが、「業務のことは何とかなるから」と理解を示してくださいました。今まで経理部では育休の長期取得者はいなかったのですが、部長も前向きに後押しをしてくださるなど、今は取得しやすい状況だと思います。

――奥さまの反応はいかがでしたか?

小玉:第一子の時は5日の取得だったので、今回は1カ月取得しようと思うと話した時、驚いていました。里帰り出産なので、第一子の時は週末しか子どもに会えず妻にも負担を掛けてしまっていたのですが、今回は1カ月ずっと一緒にいて子どもと過ごす時間が取れるので、喜んでくれています。

ワンオペ育児を経験して得た気づきとは?

――若林さんは育休期間中、どのような生活をされていましたか?

若林:育休6カ月目に、先に妻に職場復帰をしてもらい、そこで生活が大きく変わりました。いわゆるワンオペ育児です。それを経験することで、今までの妻の苦労を知っておきたかったという思いが強くありました。

仕事をしている時とリズムを変えたくなかったので、毎朝5時半に起床していました。そこから家事をして上の子を8時過ぎに保育園に送り、下の子の世話をしながら家事に励んでいました。昼間は下の子が昼寝をしたタイミングで夕飯の支度をして、夕方の16時半ごろに上の子を迎えに行くという流れです。

左:育児中の様子 右:若林さんと長女の楓子(かこ)ちゃん、次女の仁椛(にか)ちゃん
左:育児中の様子   右:若林さんと長女の楓子(かこ)ちゃん、次女の仁椛(にか)ちゃん

――ワンオペ育児を経験したことによって、何か変化はありましたか?

若林:全ての育児を1人でやりきるという経験ができたのは大きかったですね。また育児をしながら平行して家事をこなすことがどれだけ大変か身に染みて感じました。ワンオペを経験したからこそ、これまで妻がしていた見えない負担を実感できたと思います。あとは毎日保育園の送り迎えをするパパも多いことにも気づきました。育休中というわけではなく、テレワークなどを活用して時間のやりくりを上手に行っている方も多く、職場復帰後の働き方についての参考にもなりました。

――小玉さんは育休中の1カ月の間は、どのように生活される予定ですか?

小玉:妻の実家に帰省する予定です。妻の家族は、日中は仕事で家にいないので、上の子は帰省先の保育園に預ける予定ですが、一時保育になるので登園するのはおそらく週2、3日程度になると思います。なので、保育園がないときの遊び相手ですね。上の子がイヤイヤ期に突入し、最近は親の言うことをなかなか聞いてくれません...。時間に余裕が無い時は、遊びをやめて保育園に無理やり連れて行ってしまったり、公園から早めに帰ってくるなど、子どもがやりたい事に付き合ってあげられないこともあるのですが、育休中は子どものペースに合わせて行動する余裕も出てくるのではないかと思っています。

また、下の子のお世話も出来ることを積極的にやりたいですね。上の子が生後2カ月になるまでの間は、週末しか会えずになかなか育児に関われなかったという後悔がありました。大変なのは覚悟しているのですが、今回は毎日赤ちゃんと過ごせるので、自分にとって良い経験になると思います。

小玉さんと長男の稜人(りょうと)くん
小玉さんと長男の稜人(りょうと)くん

男性の育休取得が当たり前になるために

――職場への復帰にあたって、若林さんはどのような準備をされていたのでしょうか?

若林:育休期間中もなるべく日経新聞を読むことは継続し、社会のトレンドはチェックするようにしていました。復帰予定日の2週間くらい前に、会社から復帰する部署の連絡があり、その後、部長・次長と面談する機会をいただいたことで、徐々に社会復帰に向けて気持ちを切り替えることができました。

――小玉さんはこれから育休を取得されますが、今の率直なお気持ちを教えていただけますか?

小玉:子どもと過ごす時間が長くなりますので、その時間を大切にして、せっかくの機会を楽しみたいと思っています。今回、出生時育児休業(※産後パパ育休)という制度を活用し、1カ月の育休を取得予定ですが、4月の繁忙期前に復帰し、その後少し落ち着いたら、再度育休を取る事も検討したいと思います。

今は子どもと過ごす時間も大切にしたいので、様々な制度をうまく活用しながら、仕事と育児の両立を図っていきたいと考えています。

(※)出生時育児休業(産後パパ育休):産後8週間以内に4週間(28日)を限度として2回に分けて育児休業を取得できる制度。育児休業とは別に取得できる。

パパママランチコミュニティ:育休から復帰した社員やお子さんが生まれた社員を対象に仕事と子育ての両立に関する情報交換等を目的に開催
パパママランチコミュニティ:育休から復帰した社員やお子さんが生まれた社員を対象に仕事と子育ての両立に関する情報交換等を目的に開催

――ちなみに、若林さんの奥さまは長期の育休を取得されたことについて、どのようにおっしゃっていましたか?

若林:特にほめられたといったことはないのですが、それは当然だと思います。私たちは同じ力量で仕事に向き合っていますが、世の中には「母親が育休を取って当たり前」といった風潮がありますよね。女性は母親の役割をすることで評価もされないですし、「すごいね」と言われない。でも男性が育休を取ったら、みんなから「すごいね」と言われることもある。そこへの疑問はあります。でも2人一緒に育休を取っていた期間は、普段よりも心にゆとりを持ったコミュニケーションを取れるようになったので、取得してよかったと思っています。

――最後に、育休を検討されている方やこれから取得予定の方へ、アドバイスをお願いします。

若林:悩んでいる方には、「子供の成長は待ってくれないので、できるだけ取得した方がいい」とお伝えしています。ただし育休は取得して終わりではなく、育休後にいかに育児と仕事を両立していけるかが一番重要だと思います。育休後に以前と同じ働き方をしていたのでは取得した意味がありません。育休後はより効率的な働き方を試行錯誤していきながら、育児に関わる時間を確保していくことが大切だと感じています。
これから取得予定の方は、せっかくの機会なのでとことん育児と向き合って楽しんでください。

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湧川さん

乳幼児は目を離すことができないのですが、夫が育休を取得してくれたことで、一日中張り詰めることなく、私自身、長女の時よりさらに育児を楽しむことができました。長女の時にはできなかった寝かしつけも積極的にやってくれたので助かりました。育休が終了した現在も継続してやってくれています。何より、家族で一緒に過ごす時間を多く取ることができたのが良かったです。前例の無い中で認めてくださった夫の部署の皆さんには感謝しています。

育児に限らず、子どもが小さいうちは、何をするにも中途半端になったり、進まなかったりするのですが、今回の育休を通じて、いわゆる「見えない家事」といった日々の家事の積み重ねにも、理解を深めてくれたと思います。

業務のスケジュールの都合上、夫の場合は、新生児期が過ぎてから育休を取得してくれたのですが、これから育休を取得される方には、生後まもなく新生児の時期から取得していただくことを検討いただきたいですね。

若林 亮佑(わかばやし・りょうすけ)

首都圏営業第五部

2007年入社。新卒で情報機器第二部に配属され、主に富士通グループの営業を担当。富士通マーケティングへの出向や情報第一部への異動を経て、2020年に現在の首都圏第5部に異動。エリア営業を担当している。

小玉 大地(こだま・だいち)

経理部

大手リース会社や地方銀行を経て、2018年にキャリア入社。情報機器第二部に配属となり、主に国内大手ITベンダーや大手企業のIT部門などの法人営業を約3年間担当。2021年に社内公募制度を利用し、現在は経理部所属。

※記事の内容、肩書きは掲載当時のものです。

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