新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、緊急事態宣言が初めて発出されたのは2020年の4月。2020年度に入社した社員たちは、初年度から在宅勤務で社会人生活がスタートしました。現在も、出社と在宅の比率が変動的な毎日を送っています。このような状況のなかで、東京センチュリーの新卒社員たちはOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)とどのように向き合っていたのでしょうか。会社とのつながりを感じられたのでしょうか。代表して3名の方に話を聞きました。
東京センチュリーOJT:入社後1年間、配属された部署の先輩社員がトレーナーとなり、実際の業務を通した必要な知識の習得をサポートする制度。
OJTトレーナーの人となりが、新入社員の不安と緊張をほぐす
――OJTトレーナーと初めて会ったときのことは覚えていますか?
木原さん
担当トレーナーは部署の盛り上げ役タイプで、すごく気さくな方です。選考過程で先輩社員のお話しを伺うことがあり、その際に一度お会いした方です。入社式で担当の発表があったときは、びっくりしました。
初めて対面した時は、緊張のあまり顔が真っ赤だったそうです。不安もあってたくさん質問したのですが、一つひとつ丁寧に答えてくださり「研修で学んだとおりにすれば大丈夫」と言っていただいて、スッと気持ちが落ち着いたことをよく覚えています。
イエリンさん
杉本さん
私も同じでした。初めてお会いしたときは、これまでにないくらい緊張していて、どう会話したかまったく覚えていないんですよね。トレーナーのさわやかな笑顔だけが記憶に残っています(笑)。
――最初の業務について教えてください。
杉本さん
所属部署ではIT機器のリース営業を担当しています。リース契約に必要な見積書の作成が最初の業務でした。
当時は、機器の確保や物件使用の権利義務の発生などを明示する契約日と借受日の細かな違いがどうしても気になり、トレーナーに繰り返し質問して理解を深めていました。
木原さん
研修を終えて最初に任せられた業務は、船舶リストの作成です。
配属された船舶営業部で、取引のあるお客さまが所有する船舶の名称、サイズ、用途などを一覧にまとめました。そのリストがトレーナーから評価されたことは、最初の成功体験だったと思っています。
米州・欧州部への配属後にまず課せられた業務は、同業他社の決算書類を比較分析する資料づくりです。
トレーナーの指導のもと、視覚的なわかりやすさも考えて修正を重ねたその資料は、地域とリース対象ごとのマーケットの規模感や自社の強みと弱みを知るうえで、とても役立つ資料になっています。
イエリンさん
コロナ禍においても新入社員たちは成長を実感
――在宅勤務ではどんな工夫を心がけていますか?
木原さん
入社と同時に在宅勤務が始まり、出社日も限られていたため、しばらくは出社日に取り組んだ方がよい仕事を見定めながら、業務を習得し成果物を仕上げるという、スケジュールの管理が難しかったです。
改善のために、契約書作成やお客さまの財務分析といったデスクワークは在宅で、出社日はミーティングや先輩に質問したいことというように業務を振り分け、効率よく時間を使えるように心がけています。
業務上の疑問をトレーナーに相談するまでのタイムラグが一番の悩みでした。社内であれば声をかけて、二言三言で解決するのに...と、もどかしさを感じたこともありました。
そこで、とにかく「話がしたい」と意思表示を心がけました。電話をかける、オンラインミーティングを設定する。すぐに電話がつながらないことは当然ありますが、あとで必ず対応してくださるので、迷いも躊躇もなく「わからなければ聞こう」と、行動に移していました。
イエリンさん
杉本さん
その姿勢はたしかに大切だと思います。ただ都度聞くと、先輩の手を止めてしまうので、タイミングを工夫するうちに、要点をまとめる力が身についたように感じています。
ただ、在宅勤務だと、時折集中力の維持が難しく、BGMをかけたり、体を動かすなどリフレッシュして集中力をあげる工夫もしていました。
私も学生のころからクラシック音楽を聴きながら勉強していたため、クラシック音楽を流すと集中できます。スイッチが切り替わるような感覚がありますね。
イエリンさん
――OJTトレーナーからのサポートやアドバイスはどのように役立ちましたか?
担当トレーナーはお客さまとのミーティングまでに徹底的に事前準備をする方です。また、調べた情報を理路整然と説明し、スムーズに会話を運ぶ姿は本当に勉強になりました。私はうまく説明する力に課題を感じているため、今もその姿をお手本にしています。
イエリンさん
杉本さん
話し方といえば、私も前置きする話し方のクセを見抜かれて、「結論から話すようにしよう」と、アドバイスをいただきました。今も肝に銘じています。私のトレーナーは、課題発見の観察力と提案を形にする実行力を持ち合わせた方で、多く吸収したいと、意欲をかき立てられる毎日でした。
木原さん
話し方や心構えのアドバイスはありがたかったです。私は、ことあるごとに「もっと自信を持つべき」と言っていただきました。些細な点も気にかけてくださり、今振り返ると、雑談一つでもメンタルケアにつながっていたと、深く感謝しています。
――自身の成長を実感したのはどんな時でしたか?
杉本さん
担当案件を稟議にはかる際、書類には自身の考えを「営業意見」として添える必要があります。その意見は、業績予測の根拠となります。
IT機器のリースであれば、財務諸表や自己資本比率といった借り受け側の企業データを読み解き、関連市場の動向も見極めて、複合的な視点から収益の確実性を検討します。
自己資本比率の意味すらもわからなかったスタートから、独力で「営業意見」を書き上げられるようになり、内容についても部署の皆さんに認められた瞬間は、達成感がありました。トレーナーに「頼もしくなった」と言っていただいたことも嬉しかったですね。
木原さん
船舶の融資案件にかかる手続きで、お客さまの要望を汲み取れたときに成長を感じました。
最初の頃は契約書の記載内容を理解できず、上司やトレーナーが付きっきりの状態でした。3案件目あたりから一連の流れが見渡せるようになり、お客さま対応や部署内の進捗共有を主導的に進められるようになりました。
また、ある案件で課題を見つけトレーナーに相談すると、「その課題は実はあえて教えていなかった。自分の力でたどり着いたのはすごい。その提案を待っていたよ。」と、褒めていただいたことも自信になりました。トレーナーの褒め上手ぶりを確信した瞬間でもあります(笑)。
先ほど述べた資料は、他部署からの問い合わせ対応にも使われているとあるとき教えていただき、部署の皆さんに少しは貢献できたかなと、実感がわきました。
2019年にグループの一員となった、米Allegiant Partners Incorporated.との業務では、日米の各担当者が集まるミーティングで進行を任せていただきました。議題を進めながら資料の補足説明をして、米側担当者の方の、解釈の齟齬に気づき、指摘したところ先輩に助かったと言っていただけたことも強く印象に残っています。
イエリンさん
会社で働くというイメージの変化と就活生へのメッセージ
――学生時代と今を比べて、東京センチュリーの印象は変わりましたか?
木原さん
世界的な有名企業、海運業界のトップティアに名を連ねる大手企業との取引が多く、事業スケールの大きさに驚かされています。
「仕事が面白い」と感じるのはもっと先になると思っていました。1年目から責任のある仕事が与えられ、日々の充実感は想像以上です。
イエリンさん
杉本さん
一般的に会社という組織の中は、堅苦しく、厳しい雰囲気なのだろうと勝手に思い込んでいたのですが、やわらかい雰囲気であったり、気さくに話してくださる方々ばかりで安心しました。プライベートな相談にものっていただくこともあります。
――コロナ禍で面接もオンラインが増えており、就職活動をされる皆さんも不安な面があると思います。また、コロナ禍において今年の1年目の新入社員の方々も似たような境遇かと思います。メッセージを送るなら何を伝えたいですか?
就職活動でリース業界について初めて知り、モノではなく課題解決で事業を展開する東京センチュリーの企業姿勢に魅力を感じました。世の中に知られていなくても実はすごいことをしている業界や企業はたくさんあるので、枠にとらわれず、オンライン説明会など積極的に参加して、ご自身に合った就職先を見つけてほしいと思います。
新入社員の皆さんには「年次を気にせず自分たち目線でアイデアを発信していきましょう!」と、メッセージを送りたいです。もちろん私もそのつもりです!
イエリンさん
木原さん
背伸びせず今までの蓄積を信じ、失敗なくして成功はないと、就職活動中も社会人になった今も自分に言い聞かせています。意図や意義、思いを深く言葉で表現できるようになるために、練習は大事だと思います。
1年目を終え「習うより慣れろ」がいかに成長につながるかを、つくづく実感しました。2年目以降も実践を成長の糧にしつつ、これからの皆さんにその大切さを伝え続けたいと思います。
杉本さん
どんなときでも笑顔と元気を忘れないように気をつけていました。それと、自問自答ですね。志望動機も希望職種も「なぜ?」を掘り下げて悩みぬいた答えは、きっと伝わるはずです。
1年目を振り返り「不安や心配は思ったほどではなかった」というのが本音です。先輩方は万全のサポート体制を敷いて、私たちに期待をかけてくださいました。皆さんもぜひ安心して、伸び伸びと実力を発揮してほしいと思います。
組織の夢と自身の夢を重ね合わせて、新しい未来を生み出す
――最後にこれからの夢や目標を教えてください。
杉本さん
OJTを経て一通りの業務をこなせるようになったとはいえ、まだまだ先輩が築きあげたレールの上で仕事をしているに過ぎません。
部署ではDXをテーマにした提案活動も担当しているので、共創ビジネスの新しい展開につながるような画期的なアイデアを、いつか必ず生み出したいと心に決めています。そのためにも、英語力や法務といった基礎的なスキルと知識の向上をおろそかにせず、自己研鑽を積んでいきます。
木原さん
目標は二つあります。一つはアセットの目利き力が問われる案件を手がけること。従来の与信基準に頼らず、アセットの真価を見抜いて新しい価値基準を生み出し、東京センチュリーの独自性ある事業展開に貢献していきたいです。
もう一つは、環境配慮型ビジネスへのチャレンジです。「金融機能を持つ事業会社」としてこの分野にもっと参画できれば、グループが掲げるサステナビリティ経営と社会課題の解決を両立する可能性が一気に広がると信じています。
私も二つ。一つ目はトレーニー制度を活用して、海外で仕事をするという目標です。東京センチュリーの国際事業分野では、入社数年のうちにトレーニーとして海外現地法人に派遣されることが少なくありません。キャリアの早い段階で、価値観や考え方の違いを幅広く吸収した上で、国と地域の垣根を超えたビジネス展開に貢献したいです。
二つ目は、欧州拠点の立ち上げに参画するという夢です。いつの日か東京センチュリーが欧州に現地法人を立ち上げるということになれば、その一員として必ず名を連ねていたいと、強く願っています。
イエリンさん
木原凜太郎 (きはら・りんたろう)
船舶営業部
2020年4月入社。船舶営業部で、主に海外の船主向けに、船舶ファイナンスの業務に携わる。
趣味はサッカー、観劇、旅行、読書。
杉本 敦哉 (すぎもと・あつや)
情報機器第二部
2020年4月入社。主にIT機器を専門とするリース営業を担当。サービス化やDX商材を絡めた提案活動を行う。ITパートナーと共創し新たなビジネスの推進を図る。
特技はバク転。
イエリン晴羅 (いえりん・せいら) Sara Yellin
米州・欧州部
2020年4月入社。米州欧州部に配属後は、2019年に買収した子会社Allegiant Partners IncorporatedのPMIや日系ベンダーとの協働事業化推進を経て、現在は米国のIT機器リース子会社CSIの営業推進及び昨年2月に業務提携したNTTとの連携推進を担当。
趣味は喫茶店巡り、海外旅行、ダンス、歌。
※記事の内容、肩書などは掲載当時のものです
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