東京センチュリーの事業の核となっているのが、モノの価値や市場の可能性を深く見極める力、すなわち「目利き力」です。この連載では、東京センチュリー(以下、TC)が提供しているプロダクトにおいて、どのような「目利き力」が発揮され、社会に貢献しているのかを探っていきます。
連載第6回は、地球温暖化の抑制に不可欠なインフラを支える「再エネ・蓄電池事業」です。TCではコーポレートPPAや太陽光発電所への蓄電池併設といったビジネスを行っています。環境インフラ第四部の里吉さん、熊谷さんに、TCの再エネ・蓄電池事業の概要やそこで生かされている目利き力について聞きました。
※事業紹介動画のフルバージョンはこちらよりご覧ください。

(左から)環境インフラ第四部 熊谷さん、里吉さん
太陽光発電の発電容量は1GWを超える
ーーTCの再エネ・蓄電池事業について、その概要を教えてください。
里吉さん(以下、敬称略):TCでは再エネに関するビジネスを幅広く手掛けており、なかでも私が所属する環境インフラ第四部では、主に太陽光発電を活用した事業開発を推進しています。
当社は2012年のFIT制度(※1)開始当初から、太陽光ビジネスの成長可能性にいち早く注目し、地域の皆さま、開発業者さま、小売電気業者さまと強固なパートナーシップを築いてきました。国内外での新しい電力契約スキームであるコーポレートPPA(※2)への取り組みなどを通じて、多様化するお客さまの再エネニーズに柔軟に対応しています。その結果、2025年3月時点で、太陽光発電の発電容量は1GW(ギガワット)を超えるなど、着実に実績を積み上げてきました。
(※1)固定価格買取制度。再生可能エネルギーによって発電した電気を電力会社が一定期間、一定価格で買い取る制度
(※2)企業や自治体などが小売電気事業者や発電事業者から長期で再生可能エネルギーの電力を購入する契約

里吉「多様化する再エネニーズに対し、最適なスキームを構築することが私たちの責務です」
熊谷さん(以下、敬称略):当社は既存の太陽光発電所の運営・管理も担っており、それらの施設のバリューアップを目的とした併設蓄電池事業を展開しています。
近年、電力の安定供給を維持するため、再エネ発電所の発電電力を一時的に減らすよう求められる「出力制御」が増えています。そのためTCでは、発電した電力を無駄にせず、余剰分を蓄電池に充電して必要な時に供給することで、発電ロスの低減と収益化を両立させる併設蓄電池事業にいち早く参入しました。市場動向を見極めながら電力を売電・蓄電することで、再生可能エネルギーの最大活用化に貢献。蓄電池を併設する発電所の選定から、メーカーや仕様の検討、設置計画の立案まで、当社が中心となって進めていきます。

熊本‧荒尾メガソーラー発電所に設置した併設型蓄電池
ーーこの事業は、社会課題の解決に対してどのように貢献していると感じますか。
里吉:再エネ電力という脱炭素社会の実現に必要不可欠なインフラを支えていることが、大きな社会貢献だと考えています。現在、日本を含む120以上の国と地域が、「2050年までのカーボンニュートラル実現」を目標として掲げています。一方で、AIの普及などITの進化に伴い、電力消費はさらに増加することが見込まれています。こうした「必要な電力量を供給しながら、いかに脱炭素を推進するか」という課題に対して、再エネ電力の普及・拡大は欠かせません。
熊谷:併設蓄電池事業を通して発電所に蓄電機能を加えることで、安定的に再エネ電力を供給できるようになります。これにより、再エネ電力の活用が進み、環境負荷の低減に貢献できると考えています。
お客さまごとの状況を見極めた提案力にこそ強みがある
ーーこの事業において、TCの強みである「目利き力」はどのような点にありますか。

里吉
それぞれのお客さまの電力ニーズに合わせた提案を行うことが、当社の目利き力だと感じています。企業・団体によって、電力の使い方は異なります。日中のみ使用するケースもあれば、24時間電力を必要とすることもあります。お客さまごとの状況に応じて、最適な電力供給の体制を整えることが私たちの責務です。
また、太陽光発電には「日照時にしか発電できない」という技術的な課題があります。それ以外の時間は蓄電池にためた電力を供給する、もしくは風力や水力、バイオマスといった別の再エネ電力を活用することも有効な選択肢です。お客さまが叶えたいのは脱炭素やCO2削減であり、その目的を達成するためなら太陽光発電以外の再エネも活用していきます。お客さまのニーズを満たしたソリューションを提供すべく、さまざまな選択肢の中から最適な仕組みを組み合わせるのも私たちの重要な目利き力です。
私たちは、発電した再エネ電力を、FIP制度(※3)を通じて市場へ流通させる際に必要な「市場動向や需給バランスを見極める力」にも目利き力があると感じています。
従来のFIT制度では、発電電力は固定価格による買い取りでしたが、現在のFIP制度では、市場価格に応じて再エネ電力の売電価格が変動します。そのため、電力需要が高まる季節や時間帯を予測し放出することで、売電収益の最大化を目指す必要があります。私は市場に電力を流通させる際の入札業務も担当しており、日々変化する市況を分析して適切な判断を下す力が養われています。

熊谷
(※3)再生可能エネルギーの発電事業者が提供する電力の販売価格に対して一定の補助額(プレミアム)を付与すること

熊谷「再エネ電力を市場に流通させる際の入札業務を通じ、市況を分析して的確な判断を下す力が養われています」
ーー再エネ・蓄電池事業におけるTCの特徴や強みについても教えてください。

里吉
幅広い事業でこれまで培ってきた数万社との取引ネットワークが強みです。全国には、再エネ電力を求める企業や機関が多数あります。しかし、小売電気事業者さまがその全てにアクセスできるわけではありません。そこで私たちがハブとなり、既存のネットワークを生かしてお客さまと事業者さまを最適な形でつないでいきます。また、電源開発サイドともパートナーシップを組んでおり、開発、小売、使用というそれぞれのセクターの声を私たちが橋渡しします。これにより、エコシステム全体の健全な発展をけん引しています。
併設蓄電池においては、TCがこのビジネスのパイオニアであり、国内有数の実績を有している点も大きな特徴です。企業からのご相談も増えており、業界を主導する立場にあると感じています。

熊谷

「再エネの主力」である太陽光発電を進化させていく
ーーこの事業に携わる上での「やりがい」や「思い出に残っている瞬間」を教えてください。

里吉
最もやりがいを感じるのは、立場が異なるプレイヤーの皆さまと「脱炭素」という共通の目標を分かち合い、一つのプロジェクトを形にできた瞬間です。
太陽光発電所の開発には、土地の所有者さまや施工業者さま、そして電力を必要とする需要家さまなど、多くのステークホルダーが関わります。それぞれの想いや課題を丁寧に紐解き、TCのネットワークを駆使して「最適解」を導き出した結果、発電所が稼働し、クリーンな電気が流れ始めた光景を見た時の感動は、何度経験しても色あせることはありません。
大学時代から再エネの分野に興味があり、その領域のビジネスを行う企業への入社を希望していました。なかでも「金融と事業開発」の両輪を強みとする当社なら、1年目から最前線のビジネスに関われると考え、入社しました。
入社後は一貫して併設蓄電池事業に携わっており、まだ事例の少ない分野だからこそのやりがいを感じています。TCとしての併設蓄電池の1号案件が無事に稼働したその喜びの瞬間を、担当した先輩社員と分かち合った経験は今でも忘れられません。

熊谷
ーー最後に、これからの目標を教えてください。

里吉
今後さまざまな再エネ電力の活用が進むと予想されますが、今後もまずは太陽光発電が核になると考えています。TCとして着実に実績を積み上げていくためにも、引続きパートナーの皆さまと共に、新たな価値を創出していきます。
同様に、1つでも多く併設蓄電池のプロジェクトを増やしたいと考えています。当社所有の発電所だけでなく、今後は他社さまが所有する施設への導入にも注力し、この事業をより拡大していくことが目標です。

熊谷

里吉 隆行(さとよし・たかゆき)
環境インフラ第四部
2016年新卒入社。法人営業部やエリア営業部にて国内のリース営業に従事した後、2025年にキャリアチャレンジ制度を活用し環境インフラ第四部へ異動。現在は、多様化する再エネニーズに柔軟に対応すべく、パートナー企業と共に太陽光発電を中心とした再エネ事業の開発を推進している。

熊谷 未羽(くまがい・みう)
環境インフラ第四部
2023年新卒入社。一貫して再生可能エネルギー分野に携わり、現在は既存太陽光発電所のバリューアップを目的とした併設蓄電池事業を担当している。発電所や蓄電池メーカーの選定、設置計画の立案まで幅広く手がけ、電力市場での入札業務も行っている。
※記事の内容、肩書きは掲載当時のものです。
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