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次世代電力インフラのフロントランナーへ
東京センチュリーが挑む「フルマーチャント型系統用蓄電池事業」の独自戦略とは?

2026年3月13日

再生可能エネルギーの普及が進む中、電力を安定的かつ効率的に活用する「鍵」として、蓄電池の重要性が高まっています。東京センチュリーは、今後の市場拡大を見据え、「系統用蓄電池事業」を次世代の成長分野と位置づけ、早期から事業開発に取り組んできました。競争が激化する市場で、どのような戦略を描き、新規事業を推進しているのか。そして、正解のない市場の最前線に立つことで得られる仕事のやりがいとは何か。環境インフラ第四部の中川さんと黒澤さんに話を聞きました。

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環境インフラ営業第四部  次長 中川さんと黒澤さん

 

 

電力需給の調整役としての「系統用蓄電池」、社会課題に向けて市場が動き出す

―まず、蓄電池がいま世の中に必要とされている背景を教えてください。

 

黒澤さん(以下、敬称略): 脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーが拡大する一方で、電力の「需給バランス」を保つ難易度が上がっています 。例えば太陽光発電は日中しか発電できず、風力発電も風況に左右されるため、発電量にムラが生じます。その結果、電力が余る時間帯と不足する時間帯が発生します。こうした電力の過不足を吸収し、電力を効率的に活用するための「調整役」として蓄電池が必要とされています。従来は火力発電がこの役割を担ってきましたが、脱炭素化に伴いその役割が縮小する中、蓄電池が現実的な解決策として注目されています。

 

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電力系統の仕組みについて



―蓄電池にはいくつか種類があるそうですね。

 

中川次長(以下、敬称略):大きく以下の3つに分類されます。

 
再エネ発電併設型蓄電池: 太陽光や風力などの発電所に併設し、夜間や需要が高まる時間帯に放電するもの
需要家設置型蓄電池: 自治体や企業の工場など、需要家の敷地内に設置し、電力コストの削減や安定化を目的とするもの
系統用蓄電池: 送電網(系統)に直接つなぎ、電力市場の需要の状況に応じて充放電を行うもの

 

 

黒澤:理想はすべての発電所や需要家施設に蓄電池を設置することですが、敷地やコストなどの制約があります。系統用蓄電池は、そのような制約に左右されず送電網全体のバランスを調整できる点が大きな強みです。東京センチュリーでは、この系統用蓄電池を活用した新規事業の開発・運営に取り組んでいます。

 

―系統用蓄電池は通常どのような場所に設置されるのでしょうか?

 

黒澤:送電網に近く比較的平坦な土地がベストです。そうした土地を見つけ、地権者の方の理解を得た上で事業として成立させていきます。

 

中川:運転開始後に20年という長いスパンで続く事業であるからこそ、近隣住民や地域の方々への説明を尽くし、地域に根ざした新規事業として取り組むことを意識しています。

 

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2025年12月に運転を開始した岩手県北上市の蓄電所

 

  
 

「決断の早さ」が最大の武器、東京センチュリー独自のバリューチェーン戦略とは?

―蓄電池市場の現状と見通しを教えてください。

 

中川:FIT制度の太陽光発電の拡大期を彷彿とさせるほどの急成長市場です。参入企業が急増し、いわば「参入ラッシュ」の状態にあります。系統につなぐための送配電会社への申請が殺到しているため、いかに早く条件の良い立地を確保できるかが勝負の分かれ目になります。

 

―再エネ電力の売買ではFIT制度がよく知られています。系統用蓄電池の売買との違いは何ですか?

 

中川:FIT制度は国が一定価格で再エネ電力を買い取ることを約束する制度で、事業者は安定した収益を見込めます。一方、系統用蓄電池事業は電力市場の価格に応じて売買を行うため、価格変動リスクがあります。その分、リスクもリターンも大きく、事業性の見極めや判断力が求められます。難易度が高い分、やりがいも大きい分野です。

 

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中川「海外に目を向けると、英国や米国、オーストラリアなどではすでに市場が先行しており、成功事例も生まれています。そうした国々を追う形で、日本市場も今後本格的に立ち上がっていくと考えています」

 

 

―競争の中で、東京センチュリーの系統用蓄電池事業の強みはどこにありますか?

 

黒澤:最大の特徴は、ファイナンスにとどまらず、事業開発からアセット保有、運営、さらにはその先の売却まで、バリューチェーンの大部分を自社単独で手掛けている点です 。電力の需給や価格の変動を見極めながら市場で電力を売買して収益を得る「フルマーチャント型」と呼ばれる非常に挑戦的なビジネスモデルで事業を展開しています。

 

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―TC単独でバリューチェーンを網羅するメリットを教えてください。

 

中川: 通常、こうした大型案件は複数社での共同出資が多いのですが、私たちはあえて「単独での意思決定」にこだわっています 。この市場では、収益性が見込める立地や、持続可能な事業条件をいち早く押さえることが重要です。他社との調整に時間を割くよりも、自らリスクを取り、迅速に投資判断を下す 。このスピード感こそが、用地争奪戦を勝ち抜くための最大の武器になります 。

 

  
 

「リスクを恐れず、答えを創る」、銀行員から事業家への転身が生んだやりがい

 

―お二人とも金融業界からの転職ですが、なぜ東京センチュリーを選んだのでしょうか。

 

黒澤:前職の信用金庫では「お金を貸す側」として、法人融資やコンサルティング営業に携わっていましたが、より専門性を高め、自らアセットを保有して事業を行っていきたいと考えたからです。東京センチュリーは、ファイナンスの知識を軸に、事業そのものに深く関われる点に魅力を感じました。

 

中川:私も前職は地方銀行で法人営業を担当していました。銀行ではリスクを抑えることが求められますが、多くの経営者の方々と接する中で「自らリスクを取り、大きなリターンを狙う事業の面白さ」に惹かれるようになりました。東京センチュリーは、銀行と商社という異なる文化が融合しており、その融合の中で新規事業を創出することに興味を持ちました。

 

―実際に新規事業の最前線に立ってみて、いかがですか?

 

中川:正解が決まっていない市場だからこそ、議論しながら意思決定していくプロセスが非常に刺激的です。当然、設備トラブルなど想定外の事象も起こりますが、外部パートナーとも連携しながら一つひとつ解決していく経験こそが、他社にはまねできない貴重なノウハウになっています。

 

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黒澤「系統用蓄電池を社会インフラとして普及させていくことにやりがいを感じますし、
市場の第一人者を目指して貪欲に先行者利益を取りに行く面白さも感じています。」

 

 

―チームの雰囲気や働く環境について教えてください。

 

中川:現在は6名を中心に、兼務メンバーを含めて10名の少数精鋭で取り組んでいます。キャリア入社のメンバーが多く、新卒入社は1名のみですが、そのメンバーも外部出向経験が長く、多様なバックグラウンドを持っています。専門性や経験の異なるメンバーが集まり、知見を持ち寄るチーム構成になっています。

 

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個性豊かでパワフルなメンバーが集まっていると社内でも評判の系統用蓄電池チーム一同

 

 

 

黒澤:仕事への熱量が高く、かつ効率的に成果を出してオフも大切にするスマートなメンバーが多いと感じています。専門知識が求められる場面もありますが、学びへの意欲が高く、会社の支援制度を活用しながら自己研鑽しています。一方で、長時間労働を良しとする雰囲気はなく「早く帰ろう」という声もよく掛かります。成果とプライベートの両立を大切にできる環境です。

 

中川:事業の進め方においては、一定規模以上の案件では案件ごとにSPCを設立し、メンバーが主担当としてプロジェクトを担っています。名義上の経営者ではありませんが、経営者視点で裁量を持ち、主体的に仕事を進めたい人には適した環境だと思います。

 

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黒澤「新規事業なので日々いろいろなトラブルが起きますが、中川さんは心なしか楽しそうで(笑)
懐深く構えて冷静な判断をしてくれる非常に頼もしい上司です」

 

  
 

2029年に600MW。次世代電力インフラのフロントランナーへ

―最後に、今後の目標を教えてください。

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黒澤

蓄電所の運営やイグジットの実績を積み重ねることで、資産回転型ビジネスを確立させ、東京センチュリーの系統用蓄電池事業で業界のフロントランナーを目指していきたいです。その過程で、再エネ分野や事業開発の知識を増やし、将来的には蓄電池以外のアセットを活用した次世代の事業領域にも挑戦していきたいです。

中川:2029年までに600MW規模への拡充を掲げています。この系統用蓄電池事業を当社の主要事業の一つに育てるとともに、個人としては、メンバーの成長を支え、次世代のリーダーを育てるマネジメントのプロフェッショナルを目指していきたいです。事業開発や運営の経験は他分野にも応用できるスキルです。将来的に別の事業や分野に挑戦することになっても、ここで得た経験を武器に世の中に価値を提供し活躍できるチームでありたいと思っています。

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中川


 

 

 

 

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中川 資生さん(なかがわ・よしお)

環境インフラ第四部 次長

2022年10月入社。地方銀行にて約15年間、法人営業・融資業務に従事。東京センチュリー入社後は法人営業を担当し、その後、系統用蓄電池事業に携わる。環境インフラ営業部門の設立とともに異動し、現在は系統用蓄電池事業の開発および運営を統括している。

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黒澤 享さん(くろさわ・すすむ)

環境インフラ第四部

2024年7月入社。信用金庫にて法人融資やコンサルティング営業を経験。東京センチュリー入社後はファンド投資業務に従事し、2025年4月より系統用蓄電池事業の開発を担当。用地開発や事業推進など、プロジェクトの実務を担っている。



※記事の内容、肩書きは掲載当時のものです。

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