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ニッポンレンタカー大躍進の秘密に迫る!
――ピンチをチャンスに変えた「守り」と「攻め」の施策とは?

2024年4月24日

2013年に東京センチュリーの連結⼦会社となったニッポンレンタカーサービス株式会社(以下、ニッポンレンタカー)。コロナ禍において深刻なダメージを受けたレンタカー業界で事業を展開する同社ですが、その逆境を乗り越えて「ピンチをチャンスに変える」ために、どのような施策を実⾏したのでしょうか。その根底には従業員とお客さまの幸せを願う揺るぎない想いがありました。今回は、同社の板垣専務へのインタビューをお届けします。

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ニッポンレンタカーサービス株式会社 取締役専務執行役員 板垣 勇治 さん




コロナ禍で激変した事業環境に必要なことは、「ピンチをチャンスに変える」
こと

――コロナ禍によるレンタカー業界の落ち込みは相当なものだったと思います。ニッポンレンタカーでは、どのような改革が実行されたのでしょうか?

板垣専務(以下、敬称略):2020年4月に最初の緊急事態宣言が発出されたのは私がニッポンレンタカーの取締役に就任後、ひと月に満たないタイミングでした。その頃のことは今でもよく覚えています。翌5月には売上高が前年比で35%にまで激減しました。予約のキャンセルが相次ぎ「お客さまが消えてしまった」「駐車スペースに車両が滞留している」といった状況が長く続き、率直に言えば、今後どうなってしまうのだろうという不安が組織全体を支配していたと思います。

先行きがまったく見えない未曽有の危機を迎える中で、経営陣と「今できることは何か」を重点的に議論しました。「ピンチをチャンスに変える」、これ以上ないきっかけが訪れたと言えるかもしれません。これまでの当り前を見直しながら「守り」「攻め」の2軸による改革の方針を打ち出し、新しいニッポンレンタカーの姿を模索しました。

「守り」とはすなわち「削る」こと。例えばウェブ広告やお客さまへの郵送物に至るまで聖域なく効果を検証し、費用対効果が見込めないのであれば縮小・停止するなど、直接的な経費削減につながる施策を実行しました。あらゆる業務にメスを入れる強い覚悟で臨みましたが、とはいえ、現場で働く方々を不安にさせてしまっては本末転倒ですので、テレビCMは継続を決めました。「攻め」の構造改革を効果的に推進するためにも、過度なリストラクチャリングにハンドルを切らないよう、要不要の見極めは慎重に行いました。

「攻め」の施策は「稼ぐ力の強化」が目的です。お客さまとの接点となるホームページの視認性を向上するためにデザインを刷新し、ウェブ予約完了までのステップを大幅に簡素化しました。また、空車検索や価格比較、オプション選択などの機能を搭載したアプリも開発・リリースしています。このアプリでは従来は店頭で行っていた重要事項の確認を事前に済ますことができ、ご利用履歴からのスムーズな予約も可能です。

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板垣「今だから⾔えますが、コロナ禍でなければここまでの構造改⾰はできなかったと思います。
お客さまがいなくなってしまうという危機感があったからこそ実⾏することができました」




「守り」と「攻め」の改⾰を経て策定された、3つの重点施策とは?

――2023年度より新中期経営計画がスタートしています。新中計の概要について教えてください。

板垣:新中期経営計画では、「EH・CHによる業績向上の好循環サイクルで持続的成長を実現する」というビジョンを掲げています。EH(Employee Happiness)とは従業員の幸せ、CH(Customer Happiness)はお客さまの幸せです。

守りと攻めの施策を実践する中で、ニッポンレンタカーの事業展開においては接客が何より重要ということを何度となく感じました。営業所の従業員は皆とにかく真面目で、目の前のお客さまに喜んでいただくにはどうすればいいかと、いつも一生懸命に考えてくれています。それを認識した時から「従業員が幸せになれる環境を築けなければ良い接客は生まれない」「仕事に喜びを感じる従業員(Employee Happiness)からの接客は、必ずお客さまを幸福な気持ちにしてくれる(Customer Happiness)」、その結果「ファンが生まれ業績にもつながってくる」との考えに至りました。



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板垣:EHとCHの実現に当たっては、①店舗パワーアップ戦略、②人材への投資(従業員エンゲージメント向上)、③DX推進による顧客サービス拡充と業務効率化の3つの施策を打ち出し、「One NR(One Team +最高のサービスの提供(No.1)」というニッポンレンタカーのグループスローガンの下、一体感ある取り組みを推進しています。

「店舗パワーアップ戦略」に関しては 、全国にある約550店舗のニッポンレンタカーの営業所のうち、4割弱に当たる203店舗を2025年までに改装・移転する計画が進行中です。すでに100店舗ほどがリニューアルを完了しています。営業所が小さいためにお客さまには屋外で列に並んでいただくしかない、出発に当たって少し離れた駐車スペースまで車を取りに行かなければならないといったマイナス面を解消し、より満足度の高い店舗づくりを目指します。

例えば横浜駅西口営業所は、リニューアルによって店舗と駐車場が大幅に拡張されました。お客さまの受付スペースと従業員が事務作業を行うバックヤードには十分な空間が確保され、駐車場には2段式の立体駐車設備や門型の洗車機、EV充電設備などが導入されています。



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2023年に移転リニューアルした横浜駅⻄⼝営業所と駐⾞スペース

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左:2段式の⽴体駐⾞設備 右:⾨型洗⾞機

――人材への投資とDX推進施策についてはいかがでしょうか?

板垣:人材への投資に関する施策においては、研修制度の強化が挙げられます。ニッポンレンタカーはかねてよりフランチャイズ制を敷いていたため、各営業所の接客やサービス内容が事業会社に任せっきりという側面がありました。2018年よりフランチャイズ制から全国直営体制へと変更しましたが、地域によって多少の温度差があったことは事実です。この溝を埋めるために、「One NR」に根差した取り組みとして実務研修、笑顔研修、メイク研修、さらには中堅・幹部研修と、キャリア・階層別の統一された研修制度を新たに導入しました。メイク研修であれば化粧品メーカー、笑顔研修であれば航空会社から外部講師を招くなど、参加する従業員がより意欲的になれるような研修体制を整備しています。



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メイク研修の様子。男性は清潔感を保つためのスキンケア研修を実施




板垣:DX推進の面では、ホームページの機能改善、ウェブ予約のシステム変更、アプリの開発という基本的なことに始まり、非接触と時短を実現する「セルフレンタカー」のサービスも新たにスタートさせています。これらの施策はユーザビリティの向上、つまり店頭手続きの煩雑さを回避し、すぐに出発していただくことでお客さまが感じる煩わしさを解消することが狙いですが、同時に現場の方々の負担を少しでも軽減するためでもあります。



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板垣「カーシェアが台頭する中でも『⼈が接することの良さ』というのは、やはり当社の強みだと思います」




従業員の幸せ(EH)とお客さまの幸せ(CH)の実現が、⽬指すべき理想の姿

――最後に、あらためてお聞きします。新中期経営計画で示されている「EH」「CH」には、どのような想いが込められているのでしょうか?



板垣:コロナ禍を契機に取り組んだ数々の施策を現場の方々が実践してくださったおかげで、2022年より2期連続で最高益を大幅更新することができました。

EH(Employee Happiness)は、ニッポンレンタカーで働く約6,000名の社員・アルバイトの方々が働く喜びを心から感じられる環境を整備することで実現されます。EHを実感し、家族や親しい人々に誇れる企業であり続けることが大切です。

EHなくしてCH(Customer Happiness)を実現することはできません。現場に寄り添いながら、利便性や満足度の先にあるお客さまの「幸福度」を今以上に追求していきたいと思っています。お褒めの言葉はもちろん、お叱りやご要望の言葉にも真摯に耳を傾け、常に改善を模索することでEHとCHの向上は必ずや実現できると信じています。

デジタルによる効率化は必要不可欠ですが、ニッポンレンタカーの事業展開はどこまでも現場第一。お客さまと対面で言葉を交わしながら、「またニッポンレンタカーを利用したい」とファンになっていただけるような快適なサービスを提供し続けていけるよう、これからも「One NR」で成長し続けてまいります。



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板垣 勇治(いたがき‧ゆうじ)

ニッポンレンタカーサービス株式会社 取締役専務執⾏役員

1987年東京センチュリー(旧センチュリー‧リーシング‧システム)に⼊社。⼤企業を中⼼に幅広く国内営業に従事。中でも⼤⼿上場企業の財務戦略に関する営業経験が⻑く、事業パートナーとの合弁事業化などの実績も有する。2018年 執⾏役員に就任。2020年3⽉よりニッポンレンタカーサービス株式会社の取締役常務執⾏役員に就任、2022年より現職。



※記事の内容、肩書きは掲載当時のものです。





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