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「金融機能を持つ事業会社」として循環型経済社会への貢献を力強く推進します。 代表取締役社長 浅田俊一 「金融機能を持つ事業会社」として循環型経済社会への貢献を力強く推進します。 代表取締役社長 浅田俊一

就任1年目のコロナ禍の経験を通し、培われた情報開示の在り方と中長期の視点

2020年4月、新・第四次中期経営計画のスタートと同時に社長に就任し、最初の1年が経過しました。
当時を振り返りますと、新型コロナウイルスが全国的かつ急速な広がりをみせ、4月7日に最初の緊急事態宣言が首都圏を含む7都府県に発出されました。そのような状況下で、期初の業績予想を非開示とする企業も増加する中、当社では各事業分野における新型コロナウイルスの影響を精査の上、あえて業績予想を開示しました。さらに、新型コロナウイルスの影響を最も被るとされる事業について、投資家の皆さまの理解につながるよう、できる限り分かりやすく詳細な説明を実施した結果、思いもかけず市場の皆さまからポジティブな声を頂戴しました。今後も投資家の皆さまと積極的に意見交換の機会を持ち、詳細かつ分かりやすい対話を行うことが当社の基本的なスタンスと考えています。
当社の特徴は、各事業において高い専門性を有していることです。航空機リースはレンタカー事業とともに新型コロナウイルスの影響を最も被った事業ですが、航空会社の事業環境が悪化する中、投資家の皆さまからも多くの質問が寄せられました。そうした中で、リース料の支払猶予の状況、リース契約満了後の返還機体の次なるリース先が発掘し難い現状、さらには、航空機リース子会社であるAviation Capital Groupの財務状況など、懸念されている事項を中心に、詳細な実態把握や情報開示の充実に取り組むなど、できる限り丁寧に対応してきました。その結果、航空機リース事業の将来の見通しも含めて、いただいたご質問に対しては、しっかりと回答することができたのではないかと考えています。
当社の四半期ごとの決算説明資料は、分かりやすいストーリー性と多くの非財務情報が掲載されており、ステークホルダーの皆さまから、さながら「ミニ統合報告書」のようだとのご評価をいただいておりますが、今後とも開示内容の充実に努めていきます。

中長期的な事業戦略の展望

中長期的な視点で事業戦略を推進していくためには、経営を支える安定基盤として、オーガニックな成長を目指す事業と、今後の10年を見据え大きく成長させる事業の2種類に分けて戦略を講じるべきだろうと考えました。その中で、今後の成長に向けた事業戦略の展望を、ステークホルダーの皆さまと共有できるようにしたのが、2020年11月の第2四半期決算公表時に発表した「事業戦略の柱」(6本)です。その後、カーボンニュートラルというキーワードが世界中に広がった動向を踏まえ、2021年5月の決算発表時には、「NTT連携」の柱に含めていた環境・エネルギー事業を独立させて、「事業戦略の柱」(7本)にしました。
7本の柱についていくつか説明させていただきます。まずは、コロナ禍の影響を色濃く受けた、レンタカーを中心とするオート事業の復活と航空機リースの再成長です。これら2つの事業は単に復活させるのではなく、コロナ禍からの捲土重来を果たし、さらなる成長を実現した姿をお見せしたいと考えています。また、アドバンテッジパートナーズとの連携、不動産事業、環境・エネルギー事業といったテーマは、当社としての新たな成長期待分野であり、将来の重要な柱として、大きく拡大させるべき事業だと考えています。米国の連結子会社であるIT機器リース大手のCSIは、国際事業分野の中心的存在としての役割を担っており、収益拡大ならびに当社グローバル戦略の旗手としての牽引力をより明確にしていきます。
そして、最も大きな柱が「NTT連携」です。資本業務提携から1年が経過しましたが、当初想定した以上のスピードで成果が出ています。当社とNTTグループの合弁会社であるNTT・TCリースは、高いポテンシャルを有しており、当社グループとのコラボレーションが進むにつれて、経常利益の水準は確実に倍増できると考えています。これ以外にも、NTT連携のテーマとしては、不動産、環境・エネルギー、データセンター事業などがあり、10年後に振り返った時、NTTとの提携が当社の成長を語る上でのターニングポイントになったと言われるのは間違いないと確信しています。「NTT連携」は、グループ一丸となって全力で取り組むことはもとより、足元から着実に広げるビジネスと、一定の時間軸のもとに大きな果実の収穫となるビジネスをバランスよく配置することで、強く太い柱にしていきたいと思います。

代表取締役社長 野村誠

今後の成長を実現する、東京センチュリーグループの強み

中長期的な成長を実現させる原動力である当社の強みについてご説明したいと思います。
メインの原動力としては、競合他社にはない豊富な事業パートナーとの共創力ではないかと思います。当社は業種の垣根を超えた多種多様な事業パートナーとアライアンスを組んでおり、その事業がどうしたら成功することができるのか、パートナー企業の皆さまと一緒になって、事業価値の向上を推進できることが強みです。たとえば、三菱地所との提携を挙げますと、当社が不動産に関する高い知見を持ち、同じ目線で議論することができるため、共同事業のパートナーに指名していただいたと考えています。
取り組むべきことは、パートナー企業・お客さまの事業内容を理解し、金融・サービス企業としての専門性を高めていくことで付加価値を創出し、Win-Winの関係を構築する意識です。最近では、特定の企業グループに片寄ることなく、さまざまな企業から事業連携のオファーをいただいています。特にサブスクリプションやDXなど当社独自の金融・サービスの提供に関するご相談が増えており、規制に縛られない金融・サービス企業としての位置付けがより鮮明になっていると感じています。そして、この強みを支えているのが人材です。当社には高い専門性を持った多様な人材が躍動しているというのが、最大の強みであると言えます。

高い専門性を有する人材の育成・強化

当社は、新卒採用者の育成とキャリア採用の獲得という両面で、高い専門性を有する人材を増やしています。当社はメーカーのように優れた設備があるわけではなく、商社のように強固な商圏やブランドもありません。その代わりに高い専門性を有した人材こそが当社の宝であり、持続的な成長のために人材戦略が最重要事項となります。そのため、従業員エンゲージメントをいかに向上させていくのかを最大の課題と捉え、さまざまな施策を進めてきました。
その中の一つが「キャリアチャレンジ制度」です。優秀な人材は所属する部署の中で囲い込まれてしまう傾向があり、優秀な人材を全社横断的に活用できていない課題がありました。2020年より、社内の部署で必要な人材を公募し、従業員が自らのキャリア形成のために応募することが可能となる制度をスタートさせました。導入初年度で14名が制度を活用して希望部署に異動しています。
また、「TC Biz Challenge制度」は、新規事業を構想する社員に挑戦機会を与えるもので、新規事業のアイデアを募り事業化の可能性があるものは、会社がプロジェクトとして支援します。書類選考を経てプレゼンへと進みますが、本制度の導入を支援していただいたコンサルティング会社からも、提案内容のレベルの高さに好評価をいただいています。実施初年度に36件の応募があり、うち3件が事業化に向けた最終審議を経た状況です。最終審議では入社間もない従業員も堂々とプレゼンを披露しており、幅広い年代の従業員にチャンスを与えることで、エンゲージメントの強化につなげたい狙いです。
社会への貢献とサステナブルな成長に向けて当社は、5つのマテリアリティを掲げていますが、その中でも「人材力強化につながる職場環境整備」には何よりも力を入れています。前述の通り、人材が当社の一番の強みであり、それなくしては事業ができないと認識しているからです。幸い、新卒採用に関しても優秀な人材を採用できています。メガバンクや商社と比較・検討の上、当社を志望したという従業員も多く、当社がそのような会社になってきたことを嬉しく思っています。これからも丁寧に育てながら、従業員ファーストを貫き、従業員が長く当社で働きたいと思う会社にしていくことが、私の使命であると思っています。

代表取締役社長 野村誠

東京センチュリーグループの事業を通した社会への貢献

環境負荷や廃棄物の低減が叫ばれ、また、サブスクリプションビジネスが一般化するなど、消費の対象がモノ自体よりもそれを利用して得られる利便性や体験に比重が置かれ、「所有から利用へ」という考え方が広く世間に浸透しており、当社にも追い風が吹いています。ただ、その追い風に乗るだけではなく、何がお客さまの利便性につながるのかということを考えていくことが、事業の成功および社会への貢献の両面を実現するために重要なことであると考えています。
たとえば、車の世界でもCASEやMaaSといった次世代技術の開発が進んでいますが、本当にそれで収益が上がるのか、本当にそれがお客さまの役に立つのか、という部分はしっかりと考えなければいけません。因みに当社は、DeNAが日本交通と進めているタクシーの配車サービス事業会社に出資していますが、タクシーをスマホで呼ぶことが一般的になれば、利便性が高まるだけでなく、配車の効率性を上げ環境負荷も低減できるようになります。
さらには、地方創生に貢献する事業も進めています。現在、ゼンリンと一緒に観光型MaaSと称したスマホのアプリケーションにより、レンタカーと電車の相互利用など、利用者が最適なルートで観光地をめぐることができるプロジェクトの実証実験を長崎で進め、商店街や観光地の活性化につながる新事業の創出に取り組んでいます。地方創生もSDGsにつながる重要な社会貢献であり、今後の収益性も見込める事業であると考え、地道に取り組んでいます。
当社としては地に足の着いたビジネスを推進し、社会への貢献と収益性の両面を実直に考えたサステナブルなビジネスに取り組んでいきたいと思います。

10年後の成長に向けて取り組むべきこと

今後の10年は、脱炭素社会の実現に向けたエネルギー問題や5G・6Gといった通信の高度化に代表されるように、これまでの経験が通用しない変化とスピードが要求される経営環境になると見ており、そういった中で攻めも守りも機動的な運営体制が必須となります。攻めについては、既存のベーシックなストックビジネスにDX的手法を活用し、さらに成長させるとともに、今後の成長に向けた7本の事業戦略をより太い柱に成長させ、大きな実りを実現させていきます。グローバルな競争に打ち勝つ高度なビジネス展開は、リース事業にはない高い専門技術と多くの知見が必要となりますが、従来多くの専門性を有するパートナーとの協業を推進している当社は、大きなアドバンテージを有しています。社会的な課題解決と当社の安定的な成長に向けて、さらにパートナーシップ戦略をブラッシュアップしていきます。
一方、守りの面では、幅広い事業を手掛けていくためには、万全なリスク管理体制が必須であり、事業投資や事業会社の運営等は特に目配りが必要です。そのためには、入口の審査だけでなく途上管理も重要であることから、経営企画・審査・総合リスク管理等の横断的な組織である投資マネジメント委員会を立ち上げました。新規投資案件について、社会性や収益性等を踏まえた投資の妥当性を検討するとともに、既存事業についてのモニタリングも強化し、存続や撤退に向けて定点チェックすることにより、盤石なリスク管理体制を構築しました。

最後に、10年後の将来をテーマに役員間にて先日議論しましたが、経営環境の激変に対する緊張感と、それにも増して当社の持つポテンシャルからくる高揚感、ワクワク感が溢れていました。
私は、社会に役立つ金融・サービスを不断に提供することで持続的な成長を果たし、ステークホルダーの皆さまがすべてハッピーとなる、東京センチュリーをそういう会社にしていきます。社会への貢献度をさらに高めていく中で、リース会社を超えた新しい業態のパイオニアとしての存在感を高め、企業価値のさらなる向上に努めていく所存です。ステークホルダーの皆さまにおかれましては、引き続き変わらぬご支援をよろしくお願いします。

(記事の内容、肩書などは掲載当時のものです)